都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

その他

手首の痛みはスマホが原因のことも

本日は、スマホ依存と手首の痛みについて。 Medicine (Baltimore). 2020 Mar;99(10):e19124. The association between smartphone addiction and thumb/wrist pain: A cross-sectional study. Baabdullah A1, Bokhary D1, Kabli Y1, Saggaf O1, Daiwali M1, …

不安感の強い患者さんは、重篤感があるかも

患者さんをパッとみて、なんかやばいと思ったとき、患者さんは高サイトカイン血症(サイトカインストーム)かもしれない。という報告。 高サイトカイン血症の説明;日小血会誌15: 81-87, 2001. より 免 疫系が外来 因子に対 して反応するシステムは大きく分け…

論文の執筆者も査読者も大変です

本日は、論文作業の時間などについて調べた報告です。 研究者と臨床しながら論文を書く人などなど、それぞれの立場で違うでしょう。 また査読者はいつ査読をしているかも調べたようです。 各国での違いが少しずつあり、面白いです。 Working 9 to 5, not the…

抜け毛の正常範囲

時々、「最近、抜け毛が増えて~」と相談されることがあります。 なので、調べてみたら面白い研究報告が見つかりました。 Wasko CA, et al. Standardizing the 60-second hair count. Arch Dermatol. 2008; 144: 759-62. 現在までの通説は、1日100本程度が正…

最期の迎え方はどんな風がいい?

終末期を迎えた男性は、どんな最期を希望しているか?に関する調査報告です。 Vig EK, et al. Good and bad dying from the perspective of terminally ill men. Arch Intern Med. 2004; 164: 977-81. 対象は、複数の大学病院にて、癌や心臓疾患により、余命…

セグウェイでの外傷は重症化しやすい

本日は、セグウェイでの外傷に関しての報告。 Boniface K, et al. Serious injuries related to the Segway® personal transporter: a case series. Ann Emerg Med. 2011; 57: 370-374. J Emerg Med. 2018 May;54(5):630-635. doi: 10.1016/j.jemermed.2017.…

患者さんの話は何分?

本日は、問診で患者さんの話は何分ぐらい続くのか?を調べたもの。 Langewitz W, et al. Spontaneous talking time at start of consultation in outpatient clinic:cohort study. BMJ. 2002 Sep 28; 325(7366):682-683. 医師は、外来診察において、患者さん…

風邪とインフルエンザには漢方薬も使えます

本日は、漢方薬についてです。 漢方薬は使い勝手もいいので、幅広く処方されていますが、今回は風邪とインフルエンザについての論文です。 内藤俊夫.感冒・インフルエンザと漢方.順天堂医学.2012;58:397-402. 感冒(かぜ症候群)とインフルエンザの特徴…

パーキンソン病とコエンザイムQ10

本日は、パーキンソン病の運動症状などの進行抑制に有用かもしれないコエンザイムQ10について。 先日、当院にパーキンソン病の方がコエンザイムQ10を医師から勧められたということで、相談にきました。 昔、読んだことがある報告があったので、そこから。 Yo…

筋疲労症状について

本日は、筋疲労症状について。 鈴木重明.筋疲労症状.Clinical Neuroscience.2013;31(5):567-8. 疲労は、精神的疲労と肉体的疲労に大別されるが、たいていは混合性。 部位別では、全身性と局所性、 時間経過から、急性疲労と慢性疲労 にも分類される。 …

日本人男性の60年前と食事が変わった?

本日は、日本人男性の食事の変化について。 食事内容の変化が60年であったか? そして、冠動脈疾患との関連性は? 対象は40-64歳の日本人男性。 1958年628名 1977年539名 1982年602名 1989年752名 1999年402名 2009年329名 2018年160名 その結果、 総エネル…

血圧測定と年齢

本日は、血圧測定カフと年齢の関係についての報告です。 Picone DS, et al. Influence of age on upper arm cuff blood pressure measurement. Hypertension. 2020 Jan 27: HYPERTENSIONAHA11913973. 上腕カフの血圧測定に対する年齢の影響 血圧を測定する方…

拡張期高血圧について

本日は、比較的若年者に多い印象の拡張期高血圧について。 血圧は、収縮期血圧と拡張期血圧がありますが、 収縮期血圧(SBP)は、左室収縮による動脈内圧を示し、 拡張期血圧(DBP)は、心臓が拡張して最も低くなった動脈内圧を示す。 一般的に、加齢に伴い、SBP…

「なんかおかしい」という感覚

本日は、なんかおかしいぞという感覚に関する報告です。 ぱっと患者さんをみたときに(ファーストインプレッション)、緊急性があるとか、やばい状態だ。と思うのは、感覚的なものが大きいと思います(もちろん経験に裏打ちされたものですが)。 また、重大な病…

下腿浮腫の考え方

本日は、下腿浮腫について。 下腿浮腫は、発生頻度が高いわりに、レビューされることが少ないです。 そんな中で、今回扱った報告は実践的なアプローチでまとめられた貴重な報告です。 J Am Board Fam Med. 2006 Mar-Apr;19(2):148-60. Approach to leg edema…

POEMS症候群について

本日は、POEMS症候群についてです。 POEMS症候群は、日本ではクロウ深瀬症候群とも呼ばれる難病指定の疾患です。 私も過去には1例だけ経験があります。 白血球の1種であるBリンパ球(B細胞)の分化した状態である形質細胞から産生される血管内皮増殖因子(VEGF)…

薬剤起因性便秘を起こしうる薬

本日は、薬剤起因性便秘について。 便秘は比較的高頻度発生ですが、危険な便秘というのはあまりみかけません。 ですが、まれにそうした症例があることは報告されているようです。 その1つに薬剤起因性便秘が挙げられます。 Palmer SE, et al. Life-Threateni…

リンパ浮腫の体液と脂肪浮腫について

本日は、リンパ浮腫と脂肪の関係について。 あまり浮腫についての報告では、脂肪について論じられることは少ないように思いますが、浮腫と脂肪の関係は確かにあります。 脂肪浮腫という表現でされますが、その関係性をMRAを用いて検討した報告です。 Joseph …

太極拳の予防効果

本日は、太極拳の心肺機能へ与える影響についてです。 Sun L, et al. Tai Chi can prevent cardiovascular disease and improve cardiopulmonary function of adults with obesity aged 50 years and older: A long-term follow-up study. Medicine (Baltimo…

日焼け止めを使った際の血中濃度を調べた報告

日焼け止めの成分について。 Matta MK,et al. Effect of sunscreen application on plasma concentration of sunscreen active ingredients: A randomized clinical trial. JAMA. 2020 01 21;23(3):256-267. 米国食品医薬品局(FDA)では、日焼け止め成分の体…

医師のスピード違反(アメリカ)が多い診療科は?

本日は、アメリカの診療科ごとの医師の車の運転について。 The need for speed: observational study of physician driving behaviors. BMJ 2019; 367 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.l6354 アメリカのフロリダ州での観察研究 5300人以上のスピード違反で…

食いしばりと首とツボ

本日は、食いしばりや歯ぎしりなどを少し軽くする方法について。 先日、このブログ内で 「口を開ける・閉じる筋肉」を書きましたが、その続報と考えてもらえればいいかなと思います。 https://ararepyon.hatenablog.com/entry/2020/01/30/080442 食いしばり…

フレイルスキンについて

本日は、フレイルスキンについて。 医療関係者ならば、フレイルという言葉を一度は聞いたことがあるのではないかと思います。 フレイルは、脆弱という意味になり、フレイルスキン(skin frailty)は皮膚の脆弱性を指す用語になります。 比較的新しい概念になり…

口を開ける・閉じる筋肉

本日は、顎を動かす筋肉についてです。 山片重徳、他.骨格性下顎前突症者の顎顔面形態と咀嚼筋活動に関する研究.Jpn. J. Jaw Deform. 7 (1): 10~17, April, 1997. 咀嚼筋には、咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋が含まれる。 この他、口を開けるのに…

筋膜について

本日は、筋膜について少しだけ書きます 。 筋膜リリース・筋膜マニュピレーションなど筋膜を施術標的とした手技もあることから、筋膜の重要性がなんとなく分かります。 鍼施術においても、筋膜刺激を行い効果が変わることもしばしばあります。 しかし、そん…

ハッピーターン®で嚥下評価

少し変わった、でも実用的な感じがする嚥下機能評価に関する報告です。 今、日本の高齢者の肺炎発症の7割は、誤嚥性肺炎とされ、食べるという機能が加齢や薬剤性などで低下したことで起こると考えられています。 食べる機能=嚥下機能、について従来では、ス…

肝硬変の診断精度

本日は、肝硬変について。 Udell JA, et al. Does this patient with liver disease have cirrhosis?JAMA.2012 Feb 22;307(8):832-842. 肝疾患を持つ成人患者に、肝硬変の有無を判断する方法は? 最終的に86編の報告(n=19533)が厳選され検討された。 このう…

最近見たテレビの情報

たまには論文ではなく、テレビからの情報です。 先日BSプレミアムで放送していたもので、 「歌って”内臓マッサージ”」というタイトルでした。 歌うことで、糖尿病や高血圧が改善しやすいというようなことを言ってました。 個人的に面白かったのが、 発声時…

巻き爪について

本日は、巻き爪について。 1月7日は、「爪切りの日」なんだそうです。 一年で、最初に爪を切る日なんだそうです。 爪の異常がある患者さんは多いものの、それに対する考え方やアプローチについて書かれたものは意外と少ない現状にあります。 本日は、比較的…

嘔気・嘔吐の考え方

本日は、嘔気・嘔吐について。 嘔気は、悪心や吐き気とも言われますが、使い分けは調べてみましたがよく分かりません。 日本のガイドラインの中でも、悪心を採用しているものもあれば、嘔気のものもあります。 あるガイドラインでは、嘔気を採用していて、「…