都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

月経前症候群について

本日は、月経前症候群に関する総説と鍼の報告2編を抄読

 

まずは総説から、

Hofmeister S,et al. Premenstrual syndrome and premenstrual dysphoric disorder. Am Fam Physician. 2016 Aug 1;94(3):236-40.

月経前症候群および月経前不快気分障害

 

月経前症候群(PMS)とは、「月経前3-10日の黄体期の間続く精神的、身体的症状で、月経発来とともに減退ないし消失するもの」を指す。

月経前症候群のうち、精神症状が主であり、その症状が強い場合を月経前不快気分障害(PMDD)という。

女性の12%が影響を受けている。

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情動症状(affective)          身体的症状

怒りの爆発              腹部膨満感

不安                 乳房緊満感・腫脹

混乱                 頭痛

うつ                 関節痛・筋肉痛

過敏性                四肢の腫脹・浮腫

社会的ひきこもり           体重増加

 

これらの症状が、過去3回連続で、月経前5日間に少なくとも1つ存在すればPMSと診断。また、これらの症状が月経開始4日以内の症状解消、13日目まで再発しない、なども基準となる。

 

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選択セロトニン作動性抗うつ薬(SSRI)が第一選択薬で黄体期のみでもOK

経口避妊薬やカルシウムサプリも使用可

 

ビタミンD、ハーブ療法、鍼治療に関しては、推奨するには十分なエビデンスはない。

と鍼治療は推奨しないとアメリ産婦人科学会ではされている。

 

では、この総説以前のレビューをみてみると、

Kim SY, et al. Acupuncture for premenstrual syndrome: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials.BJOG. 2011 Jul;118(8):899-915.

月経前症候群の鍼治療

10件のRCTを厳選

鍼治療とSham鍼・薬物療法・無治療と比較した報告であった。

これらをメタ解析すると、

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対照群に比べ鍼治療は有意な改善を示している。

しかし、バイアスの除外などが不十分な試験であることから、結果の解釈には注意が必要とされている。

 

最近の報告ではどうだろうか?

Zhang J, et al. Acupuncture for premenstrual syndromeat different intervention time: A systematic review and meta-analysis. Evid Based Complement Alternat Med. 2019 Jun 25; 2019: 6246285.

異なる介入時間での月経前症候群に対する鍼治療のレビュー

 

最終的には15編の報告が厳選(n=1103)。

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15編の報告での使用経穴では、

SP6(三陰交)

LR3(太衝)

RN4(?)

が多く使用されている。

RN4ってなんでしたかね?

 

 

 

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バイアスリスクも中等度といったところか。

 

結果

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薬物療法、Sham、無治療に対して鍼治療はPMS症状を有意に改善させる。

 

サブグループ解析により鍼治療の開始時間の検討を行った結果、

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介入時間による効果の差はない。

鍼治療の報告も2011年のと比べ質が高くなってきていると思います。

推奨されるには、いくつかの課題もあるかと思いますが、近いうちにそんな日がくるのではないかと期待しています。