しびれの疫学調査
しびれは、鍼灸師にとっても遭遇率の高い症状である。
その際、鑑別候補を挙げ、それぞれの事前確率を考えることになるが、
その際に参考となるのが、疫学調査などの結果になる。
今回は、病院でのしびれ外来が対象となるので、そのまま鍼灸院に適応させることは出来ないかもしれないが、参考にはなるだろう。
しびれ患者2.000人の分析と脳神経外科のこれからの役割:しびれ外来のすすめ.
脊髄外科. 2016; 30(2): 202-5.
2006年3月~2014年12月までに、しびれを主訴に来院した2.104例を調査
男性791例、女性1.313例
平均年齢64.0歳、60-70歳代がピーク
診断名
2.104例中Double Crush Syndromeは17例
変形性頚椎症:490例(23.1%)
腰部脊柱管狭窄症:325例(15.3%)
末梢神経障害(ポリニューロパチー):312例(14.7%)
手根管症候群:258例(12.2%)
頚部脊柱管狭窄症:157例(7.4%)
その他は、表1を参照のこと
不明:93例(4.4%)
表の%が、事前確率の参考数値となる
手術症例
258例(12.8%)が外科手術を行った
内訳は以下のグラフの通り
ありふれた症状ではあるが、その原因疾患は多岐に渡るため、鍼灸師も対応できるように準備をしておかなくてはいけない。