都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

しびれの疫学調査

しびれは、鍼灸師にとっても遭遇率の高い症状である。

その際、鑑別候補を挙げ、それぞれの事前確率を考えることになるが、

その際に参考となるのが、疫学調査などの結果になる。

今回は、病院でのしびれ外来が対象となるので、そのまま鍼灸院に適応させることは出来ないかもしれないが、参考にはなるだろう。

 

しびれ患者2.000人の分析と脳神経外科のこれからの役割:しびれ外来のすすめ.

脊髄外科. 2016; 30(2): 202-5.

 

2006年3月~2014年12月までに、しびれを主訴に来院した2.104例を調査

 

男性791例、女性1.313例

平均年齢64.0歳、60-70歳代がピーク

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診断名

2.104例中Double Crush Syndromeは17例

変形性頚椎症:490例(23.1%)

腰部脊柱管狭窄症:325例(15.3%)

末梢神経障害(ポリニューロパチー):312例(14.7%)

手根管症候群:258例(12.2%)

頚部脊柱管狭窄症:157例(7.4%)

その他は、表1を参照のこと

不明:93例(4.4%)

 

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表の%が、事前確率の参考数値となる

 

手術症例

258例(12.8%)が外科手術を行った

内訳は以下のグラフの通り

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ありふれた症状ではあるが、その原因疾患は多岐に渡るため、鍼灸師も対応できるように準備をしておかなくてはいけない。