赤ら顔の症例問題
本日は、昨日の赤ら顔から、症例問題です。
昨日の「赤ら顔になる疾患」を1通り読んでもらった方が、参考になるのではないかと思います。
鈴木清澄、他. 「一目瞭然!目で診る症例」問題編. 日内会誌.2018;107:951-3.
症例:
76歳、男性。
発熱・悪寒および右耳の疼痛と腫脹で来院。
体温37.7℃
脈拍108/分、整
血圧112/56mmHg
血液検査~白血球9100/μl(好中球81.2%)、CRP9.54mg/dl
考えられる疾患は?
解答は下にあります。
解答編
耳介の発赤を認めた場合の主な鑑別疾患
このうち発熱・悪寒などの全身症状+右耳の水疱を伴う症状を呈するのは、
「丹毒」
丹毒は、A群β溶血性連鎖球菌(GAS)による真皮浅層の皮膚感染症。
急性発症の発熱・悪寒+境界明瞭な隆起性紅斑を呈する(まれに水疱;水疱性丹毒)。
好発部位~下肢や顔面部
治療は、軽症;アモキシリン経口投与、中等症~重症;セファゾリンやセフトリアキソンなどの点滴静注、5~10日ほどの治療期間。
発症から数日は、この症例のように進行することを説明しておけば不安も減るかもしれません(私見)
蜂窩織炎では、真皮深層~皮下組織の境界不明瞭な紅斑。
耳介には、真皮深層~皮下脂肪織がないため、この部位では、丹毒を考える。これをMilian's ear signと呼ぶ。
別の報告でも(ID Cases.2018;14:e00449.)、
48歳、女性。2日間の発熱と右耳痛で受診。
全身症状(発熱)+耳介部痛のときには、丹毒を考える‼