顔の帯状疱疹は、ここも注目すべし‼
本日は、Hutchinson徴候についてです。
知りませんでした。
言われたら、そうかもと思うのですが、勉強不足でした。
Matsuura H, et al. Herpez zoster and Hutchinson's sign. QJM. 2018 July; 111(7): 483.
松尾明子、他. 三叉神経顔面帯状疱疹におけるHutchinson徴候:35例の検討. 川崎医会誌. 2008;34(4):291-295.
https://www.maruho.co.jp/medical/famvir/pdf/seminars/07.pdf
1863年に、英国医師のJonathan Hutchinsonさんが報告したことから、Hutchinson徴候と命名されたようです。
これは、顔面部帯状疱疹の際に、皮疹が鼻にも及んでいると、高い確率で眼症状を合併するということを表したものだそうです。
鼻の鼻尖部や鼻背部を注目すべしとされています。
その機序として、三叉神経第1枝の分枝が鼻にきているため、同じ第1枝領域の眼にも症状が波及することがある。ということのようです。
三叉神経の支配領域をみると、鼻翼部は第2枝領域なので、眼症状の発生率は下がると思われます。
Hutchinson徴候の出現率などを検討した報告では、
顔面部帯状疱疹を呈した62名中Hutchinson徴候が陽性だったのは24例(39%)で、このうち眼症状を発生したのは20例(83%)だったそうです。
眼症状は、皮疹出現から遅れて出てくる傾向にあるようで、患者さんがその時は訴えがなかったとしても、眼科を勧めるのが良さそうです。
「顔面部の帯状疱疹をみたら、鼻に注目せよ」でした。