前屈みになると息が苦しい
本日は、姿勢と呼吸困難感に関する報告です。
有名なのは、起坐呼吸だと思います。
「臥位で苦しく、起きると楽になる」と心不全などの可能性があります。
https://medicalnote.jp/contents/160711-001-FK より掲載
ですが、心不全に対する起坐呼吸の診断精度は、
感度:50%
特異度:77%
陽性尤度比:2.2
陰性尤度比:0.65
と事後確率にそんなに影響を与えないとされています(JAMA.2005 Oct 19; 294(15):1944-1956.)
また、加齢に伴い、起坐呼吸の出現率も下がってくることが報告されています(J Am Geriatr Soc.2009; 57(9):1587-94.)
次に有名だと思うのは、Tripod positionだと思います。
COPDなどの呼吸異常を呈している際にこうした姿勢をとると楽になるため、見受けられますが、比較的重症なケースが多いようですので、未診断の状態で鍼灸院に来ることは稀だと思います。
今回は、
Thibodeau JT, et al. Characterization of a novel symptom of advanced heart failure: bendopnea. JACC Heart Fail. 2014 Feb;2(1):24-31.
前屈みになると呼吸が苦しくなる場合、心不全の可能性があるか?を検証した報告です。
対象は102人の心疾患患者で、Bendopnea(前屈時呼吸困難)の有無で分けた。
その結果、Bendopneaの陽性は、右房圧や肺動脈圧を上昇させるため、心不全の可能性が上がるという結果だったそう。
ちなみにBendpneaは、こんな姿勢
https://www.chiisaiisu.com/shop/emaron.html より掲載
靴をはくときなどに起こりうる姿勢で、この時に息苦しさを感じたら心疾患が潜んでいる可能性があるとされた。
健常な人でも、少し圧迫感のようなものを受けるが、それとは区別されるそうです。
聞き取り方が難しそうです。