小児の肺炎を疑うときの症状
本日は小児の肺炎です。
Shan SN,et al. Does this child have pneumonia? : The rational clinical examination systematic review. JAMA. 2017 Aug 1; 318(5): 462-471.
肺炎は小児の死亡原因の1つであるため、肺炎の症状と身体所見を検討。
1956年~2017年5月までの5歳未満の小児肺炎の診断研究を集め、最終的に23編(n=13833)が残った。
最終的な肺炎の診断には胸部レントゲンが用いられた。
その結果、
症状:胸痛・栄養不良(食欲低下)・咳・呼吸困難・咳や発熱などが3日以上・嘔吐もしくは下痢
肺炎と関連する単一の症状はないが、胸痛はいくつかの報告で関連するとされた。
胸痛がないからといって肺炎は否定できない。
否定には咳が最も有用だが、それでも感度88%なので、単一では難しい。
バイタルサイン
肺炎の否定には、
熱が37.5℃以下もしくは親の熱はないという情報ならば肺炎の可能性は下がる。
熱が37.5℃~38.5℃ならば、可能性が少し上がる。
呼吸数が>40回/分や頻呼吸ならば可能性は少し上がる。
SpO2≦96%ならば可能性が上がる。
熱の確認と呼吸数・SpO2を合わせてバイタルを観察することが求められる。
身体所見
呼吸・肺の聴診は、あまり役には立たない。
Grunting~豚がブーブーと鳴くような呼吸
↑こんな感じのようです。
鼻翼呼吸(鼻の穴を大きく広げて呼吸する)・肋骨の陥没(吸気時に肋骨が凹む)
これらの努力呼吸が観察されたら、肺炎の可能性は上がるが、ないからといって否定はできない。
バイタルサインが最も使い勝手が良さそうです。