オンライン病名診断の精度はどれくらい?
本日は、オンライン診断についての報告です。
鍼灸院には、肩こりや腰痛などの症状の患者さんが来院されることが多く、そのほとんどが治療適応の筋骨格系の場合が多いので、もしかしたら鑑別は必要ないと考える先生もいるかもしれません。
ですが、ときに圧迫骨折での腰痛、循環器疾患からの肩こりといったレッドフラグの疾患で来られる可能性があるため、常にその可能性を考えておく必要はあると思います。
しかし簡単には疾患を想起するのが難しいこともあり、そんなときに
オンライン診断は便利です。トレーニングにも使えます。
今はまだ向上しているかもしれませんが、その診断精度に関する報告です。
Semigran H, et al. Evaluation of symptom checkers for self diagnosis and triage: audit study. BMJ. 2015;351: h3480.
オンライン症状チェックの診断およびトリアージの精度を検討する目的。
この報告が2015年なのですが、その当時ですでにいくつもあるようです。
今回の対象となったオンライン症状チェック(23こ)
症状チェックが、正しい診断ができたか?
20個の鑑別候補の中には正しい診断名が入っていたか?
鑑別候補の最初に正しい診断が来た割合(n=19)
TOP:DocResponse®(USA)~50(33-67)%
第2位:Family Doctor (USA)~47(31-62)%
第3位:Isabel(UK)~44(29-60)%
全平均:34%
表をグラフに改変して掲載
鑑別候補の上位3番以内に正しい診断が入っている割合
第1位:Symcat~71(57-85)%
第2位:Isabel~69(55-83)%
第3位:Ask MD~68(52-83)%
全平均:50%
鑑別候補の上位20番以内に正しい診断が入っている割合
第1位:Isabel~84(73-95)%
第2位:iTriage~77(64-90)%
第3位:Mayo Clinic~76(62-89)%
同率3位:Symcat~76(62-89)%
全平均~57%
鑑別疾患の精度として、Isabelが良さそうです。
精度は物で結構な幅があります。
私は、「病名思い出しツール」をよく使います。
鑑別疾患の上位20位内に正しい疾患がある割合
46.2~64.2%の幅があるようです。
Isabelには劣りそうですが、こちらは無料版ですので、ある程度は仕方がないかなと思いますが、使ってみるといい勉強になります。