パーキンソン病の非運動症状
パーキンソン病の非運動症状について。
Clinical and Imaging Markers of Prodromal Parkinson's Disease
- PMID: 32457695
- PMCID: PMC7225301
- DOI: 10.3389/fneur.2020.00395
運動症状にばかり目がいきがちですが、非運動症状について着目することが、この10年程で議論されています。
きっかけの1つは、Braak仮説。
中脳黒質の変性が50-60%程度起きてからパーキンソン病の運動症状が発現するけど、その前から自律神経症状や嗅覚障害などがすでに起きている。という考え方です。
初期の段階では、薬物療法が効果が特に良好な時期があります。
しかし、運動症状が発現した後では、その時期をすでに脱した後の場合もあります。
また患者さんからしたら、診断名も不明で色々な病院を回り、不安な気持ちになっていることが少なくありません。
非運動症状についても認識をしておき、パーキンソン病による症状かもしれないと疑うことが大切になります。
非運動症状;
嗅覚障害はパーキンソン病の80%に認められるとするものがありますが、パーキンソン病ではない人でも起こるので、その鑑別は難しいものです。
これまでにもアロマや線香などを用いた鑑別精度の報告もありますが、あまりよくありません。
便秘は、パーキンソン病発症の2.7倍とされた報告があります。
男性の便秘が長年続いていると将来のリスクの1つして認知しておく必要があります。
この他、睡眠障害やうつなどの症状も非運動症状として有名で、パーキンソン病との関連があることが報告されています。
非運動症状からパーキンソン病を示唆することは、正直難しいです。
しかし、いろんな病院を回って診察を受けたけど、分からないという患者さんや、診断され治療を受けているけど改善に乏しい場合などでは、パーキンソン病について精査をうけることを勧めるのもいいかもしれません。