難聴のスクリーニング
本日は、難聴のスクリーニング精度について。
小出由美、他.介護施設に入所中の高齢者における難聴スクリーニング法の検討.
日本看護研究学会雑誌.2020;43(1):77-85.
介護施設に入所している58名(82.0±8.4歳、男性14、女性44名)。
難聴の有無は、年齢以外では有意差なし。
指こすり2cm・30cm、ささやき声、電子体温計の終了音、テレビ音量で評価した結果、
感度・特異度・尤度比(本文から計算して掲載)は、
感度(%) | 特異度(%) | LR+ | LR- | |
指こすり2cm | 38 | 92 | 4.75 | 0.67 |
指こすり30cm | 72 | 81 | 3.79 | 0.35 |
ささやき声 | 94 | 69 | 3.03 | 0.09 |
電子体温計 | 94 | 54 | 2.04 | 0.11 |
テレビ音量 | 78 | 88 | 6.5 | 0.25 |
となり、ささやき声と電子体温計の音が聞こえたら、難聴の可能性は低い。
テレビの音量や指こすり2cmで聞こえなかったら、難聴の可能性が上がる。
認知度検査では、MMSEの平均18.7(中央値18[2-30])点とされ、難聴の有無でMMSEの差は認めなかったが、人数が増えたら差が出るかもしれないという感じでした。
でも、体温計の音が聞こえているうちは難聴はなさそうだと思っていいので、判断しやすいです。
今は鍼灸院でも体温を測定するところが増えてるでしょうから、その際にさりげなく難聴のスクリーニングができると思っておけばいいのではないでしょうか?