見た目で分かる心疾患 その2
本日は台風10号が接近しつつあります。
気圧の変化などで体調を崩す方もいますので、災害だけではなく体調にもお気を付けください。
本日は、昨日の「見た目で分かる心疾患」の続きとなります。
Taro Shimizu, et al. Preauricular vertical creases. Intern Med Advance Publication. DOI: 10.2169/internalmedicine.2606-19.
Lucenteforte E, et al. Ear lobe crease as a marker of coronary artery disease: a meta-analysis.Int J Cardiol.2014 Jul 15; 175(1): 171-5.
Evrengul H,et al. Bilateral diagnal earlobe crease and coronary artery disease: a significant association. Dermatology. 2004;209(4):271-5.
昨日の報告では、耳たぶの皺(ELC)は独立した心疾患の予測因子となりうる。ということでした。
本日の報告は、その診断精度に関することが2編、耳の毛も心疾患と関連するというものが1編です。
耳たぶの皺の診断精度は、3万人以上の症例を検討した結果、
感度:62%
特異度:67%
LR+:1.879
LR-:0.567
であった(尤度比は計算して表記)。
この結果、臨床的にはそこまで使い勝手のいいものではない結果でした。
例えば、70歳代の患者さんに心疾患がある確率を考えたいときに、
事前確立を30%と仮定すると、耳たぶの皺があっても事後確率は40%程度
耳たぶの皺がなくても、20%程度とほとんど変わらない。
しかし、この耳たぶの皺が片耳なのか?両耳なのか?で少し診断精度が変わるようです。
415人の対象者を両耳の耳たぶの皺と心臓の血管造影や冠動脈疾患の危険因子と関連性を調べた結果、
心疾患の独立した指標であり、その診断精度は、
感度:51.3%
特異度:84.8%
陽性的中率:89.4%
陰性的中率:41.2%
LR+:3.375
LR-:0.574
とされた。
否定にはあまり使えませんが、両耳あった場合は確定に近づきます。
また、耳の毛も心疾患と関連がるようです。215人を検討した結果、外耳道の毛は心疾患の指標となるとされています。
これに関する診断精度は不明ですが、耳たぶの皺と合わせて確認するといいかもしれません。