都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

頭蓋内圧亢進の診断精度

本日の論文は、あんまり鍼灸師の役に立つ報告ではないように思います。

 

でも、面白そうだったので読んでみました。

 

Femando SM, et al. Diagnosis of elevated intracranial pressure in critically ill adults: systematic review and meta-analysis. BMJ. 2019 Jul 24; 366:I4225.

重症成人における頭蓋内圧亢進の診断: 系統的レビューとメタアナリシス

 

頭蓋内圧亢進(ICP)の診断には、身体所見・CT・視神経の超音波検査(ONSD)・経頭蓋ドップラー指数(TCD-PI)が行われることが多い。

これらのレビューとメタ解析から、診断精度を割り出す。

 

いくつかのデータベースから集積し、40(n=5123)の論文が残った。

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診断精度の結果は、

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このうち、身体所見は瞳孔拡張、グラスゴーコーマスケールのM(最良運動反応)が3点以下、グラスゴーコーマスケール8点以下の3つがメタ解析できた。

診断精度は上記の表の通りです。

GCS8点以下は感度は75.8%とされるが、研究の質が低いとされているようです。

そうなると、身体所見で判断する根拠に乏しいとなりそうです。

 

瞳孔拡張は感度は低いですが、特異度85.9%と高いですので、瞳孔拡張があったらやばいですが、「瞳孔拡張がないから大丈夫」とは言えません。ってことになると思います。

 

普段の鍼灸師の臨床では、なかなか遭遇するものではありませんが、瞳孔観察だけで判断することなく、いくつかのアセスメント技術を磨いておくと、いざという時に役に立つかもしれません。