骨折に対する聴性音叉
Is there sufficient evidence for tuning fork test in diagnosing fractures? A systematic review.
BMJ Open. 2014 Aug 4;4(8):e005238. doi: 10.1136/bmjopen-2014-005238.より
骨折に対する音叉テストの診断?システマチックレビュー
骨折の疑いがある場合、一般的には画像検査を行う。しかし、それが困難な状況で役に立つのは身体所見だろう。
これは60年前に提案された身体所見で、音叉を使用する。
使用方法は2種類ある。
1)骨折部位疑いの真上またはすぐ近くに音叉を使用する。骨折がある場合は振動音による痛みを誘発する。これは音叉を止めれば、消失する。
2)骨折部位に対して遠位の骨の突出部に音叉を配置し、骨折部位近位に聴診器を置く。骨折があれば音が伝わるのが減弱ないしは消失する。
動画を見つけたので、ご参照ください。
このレビューは、この2種類に対する報告をまとめて、診断精度を評価することが目的だ。
レビューのために最終的に厳選された報告は6編(n=329)であった。
6編の特徴の表
1編は小児患者も対象としている。骨折の有病率は10-80%と幅がある。
1)の方法での報告が、4編
2)の方法での報告が、2編
ブラインドされていないか、記述がないため、バイアスに関してははっきりとしない。
感度は75-92%の範囲にある。
特異度は18-94%とかなり幅があった(テストの実行方法と骨折部位などが関連しているかもしれないと考察)。
異なる周波数の音叉を用いた報告では、周波数の違いはなかった(256Hzでは特異度が高いが、偽陽性も多かった)。
骨折の部位や種類によっては、診断精度はさらに高くなる可能性があると考察している。
しかし、病院などの施設において、画像所見に替わる方法ではなく、画像所見が撮れない場合の代替法として活用すべきとしている。
鍼灸師は、患者さんが自宅や外で転倒したと聞いて、試せる身体所見の1つになる。
聴性打診でもいいが、音叉を用いた方法でも有用になりそうだ。