都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

髄膜炎の診断特性

Accuracy of neck stiffness, kernig, brudzinski, and jolt accentuation of headache signs in early detection of meningitis.

Emerg(Tehran). 2018; 6(1): e8.

髄膜炎の早期発見における頭痛サインとしての項部硬直、Kernig徴候、Brudzinski徴候、およびJolt accentuation(頭部振盪試験)の精度

 

髄膜炎の早期診断に関する身体所見の結果は、相反する結果がでている。

髄膜炎が疑われた頭痛患者120例(平均年齢48.79±21.68歳:18-93歳)を対象に、それぞれの診断特性を調査した。

 

最終的に髄膜炎と診断(脳脊髄液分析による判定)は、45例(37.5%)であった。

髄膜炎患者と非髄膜炎患者における比較では、

項部硬直(p<0.001)、Kernig徴候(p<0.001)、Brudzinski徴候(p<0.001)、Jolt accentuation (p<0.001)と有意に高い頻度で認められた。

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これより診断精度を算出すると、

項部硬直:感度64.4(48.7-77.7)%、特異度70.6(58.8-80.3)%、LR+1.3(0.88-0.95)、LR-0.30(0.19-0.46)

Kernig:感度55.5(40.1-70.0)%、特異度89.3(79.5-94.9)%LR+3.12(1.65-5.88)LR-0.29(0.20-0.44)

Brudzinski:感度53.3(38.0-68.1)%、特異度90.6(81.1-95.8)%LR+3.42(1.73-6.76)LR-0.30(0.21-0.45)

JAH:感度84.4(69.9-93.0)%、特異度65.3(53.4-75.7)%、LR+1.46(1.02-2.09)、LR-0.14(0.07-0.28)

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*項部硬直のLR+の数値(95%信頼区間)は間違っていると思う

正しい計算は行っていない

 

これまでの報告とは、少し異なる結果であり、今回の報告だけでなく、他の報告と合わせて使用することが望ましい。