都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

無症状の末梢動脈疾患

本日は、無症状の末梢動脈疾患(PAD)について。

 

尾原秀明.無症候性下肢虚血および間欠性跛行の治療.日本血管外科学会誌.2020;29:121-123.

 

無症状でもPADが存在することがある。これを無症候性PADとする。

この無症候性PADは血行再建術は適応外(原則有症状者)。

手術適応は、間欠性跛行肢に対して、日常生活に制限のある場合で、明らかな機能回復が少なくとも2年以上継続する見通しが50%を超えることを最低条件としているよう。

この適応基準は非常に判断が難しそうですが、何か数値的な基準があるのでしょうか?

 

ある報告では、

345名の無症候性PAD患者を5年間前向きに調査して、

侵襲的治療介入となったのは0.9%で、重症化したのはいなかったとしています(Int J Epidemiol. 1996;25:1172-1181.)。

 

なので、必要なのは

無症候性PAD患者の抽出⇒鍼灸師でもできるABI

株式会社オサチ | ABIについて

http://www.osachi.jp/Technology/detail/ABI.htmlより引用

 

予後は比較的良好なので、動脈硬化症の対応として、

禁煙や運動などの指導。

場合によっては薬物療法が必要な方には病院を紹介。

 

こうした方法を組み合わせていく事になるかと思いますが、

一番大切なのは最初の見つけること。

これが最も難しくて大変です。