医師には話せなくても
ときに患者さんは、情報を明かさないという報告。
2019年に報告された論文からトップ20を厳選し、内容をまとめたものがだされ、
MARK H. EBELL, MD, MS, University of Georgia, Athens, Georgia ROLAND GRAD, MD, MSc, McGill University, Montreal, Quebec, Canada. Top 20 Research Studies of 2019 for Primary Care Physicians. Am Fam Physician. 2020 May 15;101(10):608-617.
その中の1つの報告。
Non-disclosure of Symptoms in Primary Care: An Observational Study
- PMID: 29635546
- DOI: 10.1093/fampra/cmy023 45歳以上の190人(平均年齢65歳)の患者と15人のプライマリケア医との間のビデオテープによる診察。
7つの診療所で行われ、患者は、訪問の主な理由(主訴)について事前に尋ねられ、少なくとも1つの症状を確認した139人(81.8%)の患者のうち、43人が訪問中に合計67個の症状を明らかにできず。
ストレス・心配・悲しみ、疲労感、睡眠障害、排尿の問題;、頭痛が該当。
Proportion with symptom, who also expressed an intention to discuss symptom with GP, % (n) | |
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Skin rash | 71.0 (22/31) |
Chest pain/dizziness | 65.5 (19/29) |
Cough/cold/breathing difficulty | 63.2 (36/57) |
Stomach upset | 60.0 (15/25) |
Joint pain | 55.7 (55/88) |
Back or neck ache | 51.6 (32/62) |
Intimate/personal problem | 50.0 (2/4) |
Headache | 48.4 (15/31) |
Problems with passing urine | 45.0 (9/20) |
Tiredness/sleep problem | 40.0 (23/59) |
Stress, worries or sadness | 23.7 (9/38) |
医師は診察中にすべての患者にすべての問題について尋ねることはできませんが、患者が症状を完全に開示していない可能性があることを知っておくことが重要です。医師は、明らかにされていない症状の手がかりを探して、「他に何かお手伝いできることはありますか?」と日常的に尋ねながら、患者をできるだけ安全に感じるようにする必要があります。
おそらく限られた短い診察時間の中で医師にそこまで話せないという方もいるのだと思います。
病院だと看護師などの方々がそうした情報を入手することが可能かもしれませんが、
病院以外でもわれわれ鍼灸師などもこうした情報を入手した場合、必要であれば主治医に報告できる体制ができれば、少しは違うのかもしれません。