レイノー現象について
本日は、レイノー現象について。
Saigal R, et al. Raynaud's phenomenon.J Assoc Physicians India.2010 May;58:309-313.
レイノー現象は、寒冷刺激やストレスが引き金で末梢の細動脈が可逆的に攣縮する現象。
指先が最も多いが、鼻や耳などでも起こることがある。
舌にレイノー現象が認められた場合、巨細胞性動脈炎が疑われる。
分類は、
レイノー現象と自己免疫疾患などの原因疾患がある続発性(2次性)
両者の鑑別点は、
レイノー現象が数本の指のみ~続発性の可能性
潰瘍や壊死がある~続発性の可能性
爪上皮に黒い出血点や延長~自己免疫性レイノー現象の可能性
レイノー病は、若年女性に多く、40歳以上は1/4程度。家族歴も1/4ある。
また、職業病としてのレイノー現象もある。
林業や土木作業者では、チェーンソーなどを使う事で起こることがある。
こうしたレイノー現象は、3段階の変化が一般的。
蒼白⇒紫⇒赤
もしくは2相性変化で
白⇒赤や白⇒紫
のようなパターンもある。
赤くなると、拍動性の痛みを感じることがある。
患者さんは、レイノー現象です。とは教えてくれることは稀です。
「両手がしびれる」「手がおかしい」といった訴えの際に、
どんなときに?
「寒くなると」
などのワードがでたら、レイノー現象を疑う必要があります。
似た現象で、
指先のしもやけ様紅斑(凍瘡様紅斑)~SLEやシェーグレン症候群で起こる
チアノーゼ(アクロチアノーゼ)~SLEや強皮症で認める
アッヘンバッハ症候群~原因不明の出血に起因
肢端紅痛症~末梢の細動脈が可逆的な拡張
などがある。
この寒い時期には、痛みが強くなると訴える方は多いので、レイノー現象の復習をしてみました。
忘れず、きちんとレイノー現象も想定しておくと見逃しは減ると思います。