都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

二日酔いの症状は?

本日は、二日酔いに関する報告です。

これから忘年会シーズンなどで、お酒を飲む機会も増えていくと思います。

私はお酒が飲めないので、二日酔いの経験はないのですが、テレビなどでは頭痛などを起こしています。

どんな症状が起こるのか?

性差はあるのか?

アルコール量で症状は変わるのか?

を調べた報告です。

 

van Lawick van Pabst AE, et al. Sex differences in the presence and severity of alcohol hangover symptoms. J Clin Med. 2019 Jun 17;8(6). pii:E867.

二日酔いの症状の有無と重症度における性差

 

二日酔いは、血中アルコール濃度(BAC)が体内からほぼ0になったら始まる症状。

アルコール中毒では性差があることが報告されている。

女性の方が同じ体格の男性と比べても体脂肪が多く、水分が少ない。

アルコールは水分に分配されるが、女性は水分が少ないので男性よりも高いBACレベルに達しやすいため(Health. 1999; 23:55-64.)

しかし、二日酔いに関しての性差の報告はない。

 

オランダの学生1765人(男性50.7%、女性49.3%)を対象に、過去1か月の最も激しかった二日酔いを起こした症状とアルコール量(推定血中アルコール濃度:eBAC)などを調査。

 

背景:

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eBACをグループ分けして、症状を比較。

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本文よりグラフ化して掲載

全体的に、血中アルコール濃度が増えれば、症状も増える傾向にある。

面白いのは、アルコール濃度が0.3~0.4%になると「後悔」「不安」する人の割合が減るっていうのは、あれだけ飲んだのだからしょうがないとでもなるのだろうか?

楽しい酒だったからいいかとなるのだろうか?

ここらへんは面白いところです。

 

サントリーのサイトで、血中アルコール濃度と飲酒量が分かるものがありました。

https://www.suntory.co.jp/arp/alcohol_calculation/

体重と飲酒量にチェックを入れると、血中アルコール濃度が出ます。

例えば、体重60㎏の人がアルコール度数5%の缶ビール350㎖を1本飲めば、

血中アルコール濃度は0.04%なんだそうです。

 

性差についての検討

0%≦eBAC<0.08%:最もアルコール濃度が低いグループ

性差なしであった。

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0.08%≦eBAC<0.11%

男性に比べ女性に吐き気の割合が多い。

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0.11%≦eBAC<0.2%

女性は、吐き気・疲労感・脱力感・めまいが男性よりも強かった。

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0.2%≦eBAC<0.3%

吐き気と疲労が男性よりも女性に多かった。

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0.3%≦eBAC<0.4%:最も強いアルコール濃度

性差なし

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女性の方が二日酔いの症状はきついものがあるようです。

アルコール中毒になるのを防ぐため、一気飲みや無理なお酒は控えて、楽しく飲んでくださいね。

それでも二日酔いになったら、後悔だけは減るかもしれません。