爪の身体所見
本日は、以前もブログ内で取り上げた爪の所見です。
以前の内容↓
https://ararepyon.hatenablog.com/entry/2019/06/24/075019
スタンフォード大学のサイトにたくさんの所見がありましたので、参考にしました。
http://stanfordmedicine25.stanford.edu/the25/hand.html
長くなってしまうので、本日と明日に分けて書きます。
指の爪は、週に約0.8-1.0mmの速度で成長する。これを利用して、異常な爪の発見をした場合は、いつ発生したのかを逆算することができる。
Terry's nails
Lindsay's nails(Half-and-haif nails)
腎臓病でみられる。
Beau's Lines
重度の感染・心筋梗塞・ショック/低血圧・低カルシウム血症・術後・栄養失調・特定の化学療法でみられる。
Muehrck's Lines(Leukonychia striata)
低アルブミン血症・特定の化学療法・ネフローゼ症候群など、タンパク質合成の低下の状態でみられる。
Mee's Lines
線に圧力を加えると消える。ヒ素中毒・タリウム中毒・頻度は低いが他の重金属中毒でみられる。
末端部の黒色メラノーマ
黒色メラノーマは、手・足の裏・口などにもできるが、爪にもできる。爪にできたメラノーマを判断するポイントは、黒色部分が爪の周囲にも黒色が及んでいるかどうかで判断。
スプリンター出血
外傷性が一般的だが、亜急性細菌性心内膜炎および強皮症でもみられる。
ピッティングネイル
乾癬の非特異的な徴候。
黄色の斑点がつく爪甲融解、肥厚、油斑?が加わることもある。
クイッターズネイル
タバコを中断した際にあらわれる。また低タールのたばこに変えた際にもでることがある。
パロキニア
爪の炎症・腫脹・発赤。しばしば柔らかい。
水仕事などで慢性の爪周囲炎をおこす。
クラビング(ばち指)
肺がん・肺膿・肺線維症・COPDなどの肺疾患、心内膜炎・心膜炎といった心疾患が特に重要。
例えば、クラビングがあり、手首や足首のの痛みがある場合、クラビングに気づかなければ、関節リウマチなどと間違った診断をしてしまう可能性がある。
本日は、以上です。
明日は、続きの機能障害を伴う所見について書いていきます。