手の身体所見
本日は、昨日の続きで、手の身体所見です。
昨日のは、爪の異常でしたが、本日は爪だけではなく、手の機能障害も含めたものになります。
手の機能障害
Pope's Hand (Hand of Benediction)
教皇の手(慈悲の手)
第1と第2のPIP関節が曲げられないため、拳を作るときに図のような形になります。正中神経の機能障害で起こります。
またOKサインでは、下右側のように円がつくれないようになります。
猿手
正中神経の機能障害で起こります。
Claw Hand
尺骨神経の機能異常では、鷲手が有名ですが、Claw Handもあります。
尺骨神経は、背側と掌側の骨間筋・短掌筋・内転筋を制御しているが、これが麻痺などを起こすと、第4・5指の機能異常が起こる。
Froment's Sign
片方の手で親指と人差し指で紙をはさむ。反対を験者なり、患者の正常な手で同様に挟み、紙を引っ張る。尺骨神経麻痺があると親指で挟む力が弱めてしまい、紙が挟めない。
ブートニア変形とスワンネック
ブートニア変形:慢性関節リウマチで見られる。PIP屈曲とDIP拡大
スワンネック:慢性関節リウマチでみられる。PIP拡大とDIP屈曲
ヘルペスウィットロー
口腔ケアなどを行う職業の人に起こることがある。
ブシャールおよびヘバーデン結節
ブシャールはPIP関節異常、ヘバーデンはDIP関節異常。
Thumb-Holt-Oram症候群
常染色体異常で起こる。
トライプハンド
厚手のビニールのような手触り。多くは内臓悪性腫瘍の徴候。
ダウン症候群
手相でいう感情線と頭脳線がつながっており(シミアンの皺)、小指が異常に短い。
心疾患を探すことを忘れない。
ジェーンウェイとオスラー結節
両方とも細菌性心内膜炎の徴候
オスラーは通常、指・つま先に痛みを伴う触知可能な赤い斑点
ジェーンウェイは、手のひら・足の裏に痛みを伴わない黄斑。敗血症性塞栓でも起こり、黄色ブドウ球菌性の心内膜炎が一般的。
たくさんあって、覚えるのは大変ですが、ときどき見返しておくと、たまーに役に立ちます。