都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。1日1つは論文を読んで、記録するためのブログです。

鼻の役割

本日は、鼻の役割についての話です。

論文ではなく、サノフィのコラムからのものです。

サイトはこちら↓

https://e-mr.sanofi.co.jp/products/dellegra/disease_info/brain_nose/brain_nose01

分かりやすかったので、参考にしました。

 

鼻は、呼吸器系に属しますが、単に空気の通り道ではなく、色んな働きを担っています。

その1つに、脳温を調節する働き(脳温調節機構)があります。

通常は、鼓膜温(脳温の指標)と食道温は、鼓膜の方が温度が高いものですが、体温が上昇すると、鼓膜温よりも食道温の方が上昇します。

これらの関係が逆転した後に、額から汗が出始めます。

また、眼角静脈の血流速度が急激に上昇しだし、顔面部や鼻粘膜で冷やされた血流が脳の中に入り、徐々に脳を冷やそうとするようです。

これを選択的脳冷却機構(selective brain cooling:SBC)と呼ぶようです。

運動後などの高温時には、鼻呼吸により脳を冷やす働きが示唆されています。

 

しかし、鼻炎などで鼻づまりなどがあると、上手に脳が冷やせなくなり、脳機能にもわずかかもしれませんが、影響があるようです。

 

ネーザルサイクルと呼ばれる、1日の中で、鼻粘膜が数時間おきに腫脹と収縮を左右交互に起こす超日周期リズムがあり、右鼻の呼吸は左脳に、左鼻呼吸は右脳に影響を及ぼす。これらのサイクルは、中枢神経制御と自律神経作用によるが、その意義はよく分かっていないようです。

こうした呼吸以外にも、鼻には匂いを感知するものでもあります。

ですが、パーキンソン病や認知機能低下には、これらの障害に先行して嗅覚障害が起こることも知られています。

Braak仮説などで有名な話です。

この他、アレルギー性鼻炎でも嗅覚障害は起こります。

神経難病疾患とアレルギー性鼻炎などの嗅覚障害は同じ障害名ですが、内容は少し異なり、

匂いを鼻で感知する受容体の異常や匂いを脳に伝えるまでの経路に異常があるパターンが最も多く、それらは、

気導性嗅覚障害アレルギー性鼻炎・慢性副鼻腔炎などで、鼻粘膜の嗅細胞受容体に匂いが届かない

嗅神経性嗅覚障害

中枢性嗅覚障害

の3つに分けられます。

気導性は、早期に治療を開始すれば、治ることも多いけど、慢性化すると嗅細胞自体が変性してしまう。

 

一過性の対症療法のようにはなってしまいますが、

アレルギー性鼻炎には、自律神経の関与が高いので、自律神経を刺激することで、一時的に鼻炎が改善することがある(体性ー自律神経反射)。

その方法の1つとして、

43℃の加熱蒸気を吸入する方法~ホットタオルなどの高温高湿のものを顔に当てるなどして(熱さや、やけどに注意)、鼻粘膜の血流増加などから通気性が改善する方法で局所温熱療法になります。

もう1つが、

足浴などで足を温める方法です。

足の温度が下がると鼻が通りにくくなることはいくつかの報告であります。

図 足湯による鼻腔通気度の改善

これは、47℃の足浴5分間で通気性が一時的に改善します。

これはお灸でもいいと思います。

 

3つ目の方法として、

Axillary Pressureと呼ばれ、

片方の腋窩(わき)を圧迫することで、反対側の鼻の通気性が改善するという方法があります。そして、圧迫したのと同側の鼻腔通気性は低下します。

同じような現象は、マッサージ理論の教科書にも出てくるのですが、圧発汗反射もその1つです。昔は女性は着物を着ることが多く、帯できつく体を締め付けると、上半身の汗をかきにくくなるというようなものです。

 

こうした方法で、鼻腔の通気性を一時的にでも緩和すると、脳にとってもいい反応がおこり、睡眠や気持ちの面(脳の機能)も緩和されることが期待できます。

アレルギー性鼻炎などの方に意欲の低下などが起こる1つの理由として、脳機能への影響があるとされています。

また大脳辺縁系にも影響がでるため、気分がすぐれないなどの症状もでてくることがあります。

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鼻は単に空気の通り道ではなく、脳機能にも影響を与えます。

口呼吸ではなく、鼻呼吸ができるように、自律神経を整え、一時的ではありますが自分にあった方法で緩和させるといいと思います。

 

そして、これらの方法で対応しても改善に乏しい場合は、鍼灸施術も選択肢の1つになると思います。