帯状疱疹後神経痛に鍼は有効か?メタ解析
本日は、帯状疱疹後神経痛に対する鍼治療の有効性をメタ解析した報告です。
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV) が再活性化し発生するとされています。免疫低下が引き金のイメージがありますが、9割以上の方は免疫力は正常とされています。
基本的には、皮膚デルマトームに沿った片側性の皮疹と神経痛が生じます。皮疹は神経痛の後に遅れて出現(1-7日遅れる)もしくはまれに出現しないことがあります。
皮疹が単一デルマトーム領域からはみだし、複数にまたがる場合は、免疫抑制状態と考えるべしとされています。その場合、50代以上であれば、悪性疾患を視野に入れておく必要があるとされています(Br J Gen Pract.2005 Feb;55(511):102-7.)
帯状疱疹を発生し、大半の方は治癒に至りますが、男性の7-27%・女性の10-36%は帯状疱疹後神経痛とやや女性に多く後遺症が残るとされています(Mayo Clinic Proc.2007 Nov;82(11):1341-9.)。
そこで、鍼治療は帯状疱疹の後遺症である神経痛に対して有効かを検討したそうです。
Pei W, et al. Is acupuncture an effective postherpetic neuralgia treatment? A systematic review and meta-analysis. J Pain Res. 2019 Jul 16; 12: 2155-2165.
最終的に厳選された報告は8編で、これをメタ解析。
全部中国で発表されたもののようです。
その結果、
鍼治療は疼痛緩和に有用とされた(AのTotalの部分)。 SMD:-1.78[-2.36、-1.21]
介入方法別にみると、
鍼通電療法(EA)は、SMD:-1.28[-2.51、-0.05]
火鍼 SMD:-2.23[-2.62,-1.84]
カッピング SMD:-2.46[-2.95、-1.97]
と有効であった。
ハミルトン不安尺度スコア(HAMA) SMD:-18.94[-37.37、-0.52]とコントロールに比べ有意に低い。
QOLも鍼治療は改善するとしている。
エビデンスレベルは、中等度とのことでさらに大規模な検証が必要としているが、鍼治療は帯状疱疹後神経痛の疼痛緩和・QOLなどに有効と結論している。
正直、できすぎな気がしています。が、否定できるほどの材料がないので、一端保留としておきます。