都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

前頭部兆候が疑われたときの身体所見

本日は、認知症などの前頭葉症状が疑われた際の身体所見

 

Ladono LD, et.al. Diagnostic yield of the palmomental reflex in patients with suspected frontal lesion.

J Neurol Sci. 2015 Dec 15; 359(1-2): 156-60.

前頭部病変が疑われる患者における手掌反射の診断率

 

昔から、前頭部病変に対して手掌頤反射(PMR)は知られていた。

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母指球あたりを擦ると、顔面のオトガイ部がピクッとする反射があれば、前頭部病変が疑われるとされている。しかし、その診断制度に関しては報告が少ないので、追試してみた。

 

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患者は、上記表のとおり。

 

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反射は、顔面部をカメラ撮影した。

 

これらの患者に対して、看護師と医師が反射を確認し、その一致率は93%で、観察者間信頼性0.53だった。

 

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診断率は、

感度19(9.2-36.3)%

特異度93(88.3-95.6)%

LR+2.7(0.6-12.1)

LR-0.9(0.8-0.94)

 

となり、特異度は高いが、LR+の95%CIの幅ではそこまで高くはない。

このテスト単独で判断するのは危険そうだ。

しかし、前頭部病変の患者さんでは、こちらの伝えたいことがうまく伝わらないことがある。そんなときには、簡単に行えるので、知っておくと役に立つことがある。