前頭部兆候が疑われたときの身体所見
Ladono LD, et.al. Diagnostic yield of the palmomental reflex in patients with suspected frontal lesion.
J Neurol Sci. 2015 Dec 15; 359(1-2): 156-60.
前頭部病変が疑われる患者における手掌反射の診断率
昔から、前頭部病変に対して手掌頤反射(PMR)は知られていた。
母指球あたりを擦ると、顔面のオトガイ部がピクッとする反射があれば、前頭部病変が疑われるとされている。しかし、その診断制度に関しては報告が少ないので、追試してみた。
患者は、上記表のとおり。
反射は、顔面部をカメラ撮影した。
これらの患者に対して、看護師と医師が反射を確認し、その一致率は93%で、観察者間信頼性0.53だった。
診断率は、
感度19(9.2-36.3)%
特異度93(88.3-95.6)%
LR+2.7(0.6-12.1)
LR-0.9(0.8-0.94)
となり、特異度は高いが、LR+の95%CIの幅ではそこまで高くはない。
このテスト単独で判断するのは危険そうだ。
しかし、前頭部病変の患者さんでは、こちらの伝えたいことがうまく伝わらないことがある。そんなときには、簡単に行えるので、知っておくと役に立つことがある。