めまいの眼振について
本日は、めまいです。
以前のブログ内で取り上げためまいの身体所見にHINTSという方法があります。
その中に、Head Impulse test(HIT)という頭部回旋で眼球の動きを観察するものがあります。
HITに関する動画です
https://www.youtube.com/watch?v=-fs20vQnNzA
今回は、それに似たHead-shaking nystagmusという方法について解説したものです。
Ohki M. Head-shaking nystagmus test. Equlibrium Res. 2017;76(6):698-701.
Head-shaking nystagmusは、頭部を左右または前後に反復頭振運動すると眼振が誘発されるというもので、頭振後眼振とも呼ばれます。
その機序は、まだ不明な点も多い。
手技
水平方向で行うことが多いが、中枢性障害が疑われる場合は、垂直方向も行う。
フレンチェル眼鏡もしくは赤外線カメラを装着し、被検者の頭部側面を両手で保持し、左右45度の大きさで往復20-30回、毎秒2往復の速さで行う。
頭振後は、開眼させ眼球運動を観察するというものです。
眼振は、単相性眼振と2相性眼振の場合があり、第1相は30秒程度で消失するが、2相目がその後逆方向の眼振が出現することがある。
垂直方向の検査を行う場合は、脳の器質的障害や頚椎に注意する。
水平方向で陽性の場合、末梢性前庭機能障害が示唆される。
出現率は前庭機能障害患者の約40-50%という報告や前庭神経炎患者100%、メニエール病68%、BPPV患者22%で誘発されたという報告がある。
メニエール病では、発作期と間歇期で眼振の向きが変わるという報告がある。
発作期には、患側向き眼振
間歇期には、健側向き眼振
となりやすいそうだ( Otol Neurotol 36: 865-872, 2015)。
Head-shaking nystagmusの検査風景の動画です。
https://www.youtube.com/watch?v=Wh4swhhDizg
診断特性は、20%以上の半規管機能低下の検出は、
感度66%
特異度77%
であった( Acta Otolaryngol 124: 803― 806,2004.)。
HITの検査では、前下小脳動脈梗塞では見逃す可能性があるが、
今回の検査では、83%が眼振誘発され、眼振の向きも垂直成分が含まれることがあるとしている。
鍼灸師には、フレンチェル眼鏡などを持たない所が多いため、実施するのは難しいと思います。
眼振を観察するのは、難しいので、HITでいいかなと思っています。