サーファーズ・イヤーについて
本日は、サーファーズ・イヤーについてです。
宮崎県はサーフィンの盛んな地域で、国際大会もあり、日本各地のサーファーが宮崎におとずれます。
サーフィンを長年行っていると、高い確率でサーファーズ・イヤーを発症するとされています。
今回は、
中西悠.サーファーズイヤーの取り扱い.日耳鼻.2012;115:1054-5.
サーファーズ・イヤーは外耳道外骨腫という疾患名で、外耳道に長期間冷水刺激が加わることで外耳道の骨増殖性隆起が生じた状態を指す。
重症度分類は、グレード0~3までの4段階評価が用いられる。
発生率を調査した報告
Nakanishi H,et al. Incidence of external auditory canal exostoses in competitive surfers in Japan. Otolaryngol Head Neck Surg.2011 Jul;145(1):80-5.
373名のサーファーを対象に調査した結果、
有病率は59.8%
グレード別では(本文のをグラフ化して掲載)、
とされている。
サーファーズ・イヤーは、サーファーに多いだけで、海に潜る仕事やサウナに入る人にも表れるとされている。
後藤隆史、他.サウナ習慣者に発症した高温、冷水反復刺激が誘因と思われる外耳道外骨腫の3症例.日耳鼻.2013;116:1214-1219.
15年間にわたりサウナに通い、1日に数回のサウナと冷水の反復を繰り返した3症例で外耳道外骨腫が生じた3例を紹介している。
こうした誘因に対して耳栓が有効とされているが、サーファーの装着率は高くないようだ。
サーファーズ・イヤーの症状としては、
初期は無症状のことが多い。
高度の外骨腫になっても、難聴の訴えは少ないが、何らかの原因で外耳道が閉塞すると急に難聴を訴える。
外耳道から水が抜けにくい。
寒冷刺激による耳痛。
外耳道炎。
耳鳴り。
かゆみ。
といった訴えがある。
https://surfersear.jp/about-surfers-ear/より掲載
グレード0でも症状を引き起こしているため、外骨腫に特異的な症状ではないのだと思われる。
今回、サーファーズ・イヤーについて簡単にまとめてみました。
鍼灸では、グレード0・1が適応になるかもしれないと思いながらまとめていました。
症状によっては、さらに適応になるかもしれませんが、グレード2・3の完治は難しいかもしれません。
サーフィン好き・サウナ好きといった方で、耳の症状を訴える場合、本疾患を考え、治療適応なのかを判断しなければなりません。