2020-06-29 不定愁訴と呼ばれることも その他 BMJ . 2008 May 17;336(7653):1124-8. doi: 10.1136/bmj.39554.592014.BE. Assessment and Management of Medically Unexplained Symptoms Simon Hatcher 1, Bruce Arroll 医学的に説明がつかない症状のことを、不定愁訴とか、Medical Unexplained Symptoms (MUS)と呼ぶ。 イギリスのプライマリケアの患者では、1/4がこれに相当したとする報告あり。 頭痛や胸痛、腹痛といった慢性疼痛やしびれ、めまい、だるさなどが該当する。 患者さんは苦痛を訴えるが、診察や検査では異常がみつからず、精神的な苦痛を医療者も患者さんも受ける。 一過性のものであればまだいいが、こうした苦痛が長期間に及ぶことも少なくない。 慢性疲労症候群(CFS)・線維筋痛症(FM)・身体症状症候群(SSD)と診断がついていることもある。 これらの診断基準では、上記3診断名が重複していることがままあるよう。 こうした患者さんに対して、医療従事者は、 1.動機 今、一番心配なことは何か? 受診理由 特に今して欲しいことは何か? 2.診察 症状について聴取 症状による日常生活の支障について聞く 器質的疾患の徴候はないか?を確認(身体所見) 心理社会的面の問題はないか? 3.関連する疾患 既往歴は? 検査による弊害を考える 4.不安障害やうつ病の有無 不安症状やうつ症状を問う 5.感情的苦痛にともなう肉体的苦痛か? 患者のキーパーソンは? 何らかのジレンマを抱えていないか? を心掛けて対応する。 その際には、 出来る限り安心感を与え、説明も、 「ストレスは筋肉が緊張する可能性があり、筋肉が痛みを感じる時間が長く続くと緊張し、緊張した胸の筋肉は胸の痛みを引き起こす可能性があります」 といったような説明の仕方が良い。 検査をする際も、検査の意義や何が分かり、何が分からない検査などを説明してから行うと良い。 MUSに関する予後の研究はほとんどない。 MUS患者の1/4は12か月後も症状が持続したとする報告がある。 MUSのように病院にいっても異常がないと言われたとする患者さんは多い。 その場合、鍼灸ならどうか?と考え来院するケースがある。 その場合、鍼灸師としてどう接し、対応できるのか?は非常に大切なこと。