都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

アバディーサインは糖尿病性末梢神経障害を抽出する

本日は身体所見に関する報告です。

Michele A,et.al. Revisiting physical examination: Abadie's sign and achiles intratendinous changes in subjects with diabetes. Med Princ Pract. 2014; 23: 186-8.

 

アバディーサインは、アキレス腱を挟むようにつまみ、痛みの有無を確認する方法。

つまむ強さについては、説明がなく統一されていないよう。

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この方法を用いて、糖尿病患者のアキレス腱変化を発見できるか?を調査。

 

対照は糖尿病患者18人(36のアキレス腱)

アバディーサインとトロント臨床神経障害スコア(TCNS)、アキレス腱の超音波検査を評価。

 

その結果、72.2%がアバディーサイン陽性で、陰性であった人と比べて、アキレス腱の構造異常(65.3)が発見された。

トロント臨床神経障害スコアと類似する結果(64.2%)であった。

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アバデイーサインに関して、日本人の研究報告もありました。

Ohtomo R, et al. Abadie's sign in adrenomyeloneuropathy. J Neurol Sci. 2014 May 15;340(1-2): 245-6.

この報告では、アバディーサインが痙性対麻痺の診断に役立つのか診断特性を調査

その結果、感度100%、特異度86%で、本法でAMNによる痙性対麻痺とそれ以外の痙性対麻痺を区別することが可能

ということでした。

 

アキレス腱は深部感覚を司るため、脊髄疾患などでも陽性になるのかもしれません。

むかし、アキレス腱あたりをマッサージしていて、把握痛を訴える脳卒中患者さんがいましたが、不勉強でアバディーサインを知らなくて、一生懸命アキレス腱を触ってましたが、良くならず、全身性の反応によるものだったのかもしれません。

反省しながら抄読しました。