アバディーサインは糖尿病性末梢神経障害を抽出する
本日は身体所見に関する報告です。
Michele A,et.al. Revisiting physical examination: Abadie's sign and achiles intratendinous changes in subjects with diabetes. Med Princ Pract. 2014; 23: 186-8.
アバディーサインは、アキレス腱を挟むようにつまみ、痛みの有無を確認する方法。
つまむ強さについては、説明がなく統一されていないよう。
この方法を用いて、糖尿病患者のアキレス腱変化を発見できるか?を調査。
対照は糖尿病患者18人(36のアキレス腱)
アバディーサインとトロント臨床神経障害スコア(TCNS)、アキレス腱の超音波検査を評価。
その結果、72.2%がアバディーサイン陽性で、陰性であった人と比べて、アキレス腱の構造異常(65.3)が発見された。
トロント臨床神経障害スコアと類似する結果(64.2%)であった。
アバデイーサインに関して、日本人の研究報告もありました。
Ohtomo R, et al. Abadie's sign in adrenomyeloneuropathy. J Neurol Sci. 2014 May 15;340(1-2): 245-6.
この報告では、アバディーサインが痙性対麻痺の診断に役立つのか診断特性を調査
その結果、感度100%、特異度86%で、本法でAMNによる痙性対麻痺とそれ以外の痙性対麻痺を区別することが可能
ということでした。
アキレス腱は深部感覚を司るため、脊髄疾患などでも陽性になるのかもしれません。
むかし、アキレス腱あたりをマッサージしていて、把握痛を訴える脳卒中患者さんがいましたが、不勉強でアバディーサインを知らなくて、一生懸命アキレス腱を触ってましたが、良くならず、全身性の反応によるものだったのかもしれません。
反省しながら抄読しました。