顔のたるみの意外な原因
本日は、顔面骨の萎縮が顔のたるみとつながっている?
に関する報告を探してみました。
Aesthet Surg J. 2006 Jan-Feb;26(1S):S4-9. The anatomy of the aging face: volume loss and changes in 3-dimensional topography. Coleman SR, Grover R.
Facial Plast Surg Clin North Am. 2001 May;9(2):179-87, vii. Anatomy and pathophysiology of facial aging. Zimbler MS1, Kokoska MS, Thomas JR.
J Drugs Dermatol. 2008 Mar;7(3):209-20. Dermatological implications of skeletal aging: a focus on supraperiosteal volumization for perioral rejuvenation. Vleggaar D1, Fitzgerald R.
加齢などにより、顔面の骨が萎縮するだけでなく、拡張や消失などの変化(特に上顎と下顎が大きい)がある。
主な変化は、
前頭骨が萎縮して、凹む。眉間は平坦になる。こめかみは凹む。
眼窩は拡大。頬骨は平坦に。鼻腔は横に広がる。
下顎の長さは縮小。
こうした、骨格の変化に伴い、脂肪の付き方も変化する。
Aesthet Surg J. 2012 Nov;32(8):937-42. doi: 10.1177/1090820X12462865. Epub 2012 Sep 24. Facial bone density: effects of aging and impact on facial rejuvenation. Shaw RB Jr1, Katzel EB, Koltz PF, Kahn DM, Puzas EJ, Langstein HN.
男女で、腰椎・上顎・下顎の骨萎縮の進行度を比較。
Young |
Middle |
Old |
||||
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Male | Female | Male | Female | Male | Female | |
Mean, y | 29.9 | 27.0 | 54.5 | 51.0 | 76.0 | 70.0 |
Range, y | 28-33 | 23-34 | 42-67 | 40-58 | 68-84 | 60-80 |
SD | 3.7 | 3.4 | 6.3 | 5.3 | 4.9 | 7.5 |
腰椎;男女ともに、中年以降に腰椎の萎縮がはじまる
上顎;男女ともに、若年から中年にかけて萎縮がはじまる
下顎;男女ともに、若年から中年にかけて萎縮がはじまる
本文には記載がなかったですが、顔面骨と皮膚をつなぐリガメント(靭帯)やSMASにも影響がでることが予想されます。
これにより、顔のたるみがおきます。
なぜ上・下顎骨が先に萎縮するのか?
男女差はなさそうなので、女性ホルモン(エストロゲンなど)ではなく、別の要因が関与していることが考えられますが、詳細は今のところ不明です。