10年で鍼の評価は変わったか?
2009年時と2019年時の鍼の評価について。
ROBERT B. KELLY,et al. Acupuncture for pain. Am Fam Physician. 2009 Sep 1; 80(5): 481-484.
ROBERT B. KELLY,et al. Acupuncture for pain. Am Fam Physician. 2019 Jul 15;100(2):89-96.
Am Fam Physicainに掲載された2009年と2019年の報告から痛みに関連した推奨度を比較。
2009年;
腰痛・首痛・片頭痛は推奨度A(一貫性のある証拠がある)
肩痛・膝痛・線維筋痛症・顎関節痛・術後の痛みは推奨度B(一貫性はないが、限られた証拠がある)
SORT: KEY RECOMMENDATIONS FOR PRACTICE
CLINICAL RECOMMENDATION | EVIDENCE RATING | REFERENCES | |
---|---|---|---|
Acupuncture should be considered as a treatment option in the following conditions: |
|||
Low back pain |
A |
||
Shoulder pain |
B |
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Neck pain |
A |
||
Headache (chronic idiopathic) |
A |
||
Headache (migraine) |
A |
||
Knee osteoarthritis |
B |
||
Fibromyalgia |
B |
||
Temporomandibular joint pain |
B |
||
Postoperative pain |
B |
A = consistent, good-quality patient-oriented evidence; B = inconsistent or limited-quality patient-oriented evidence; C = consensus, disease-oriented evidence, usual practice, expert opinion, or case series. For information about the SORT evidence rating system, go to https://www.aafp.org/afpsort.xml.
2019年;
慢性腰痛・緊張型頭痛・片頭痛・鍼の安全性は推奨度A
急性の腰背部痛・変形性膝関節症・筋筋膜疼痛症候群は推奨度B
この10年で多くのエビデンスが集まり、さらなる証拠として提示されています。
単に推奨度として発表されるだけでなく、2019年には短期的な効果・長期的な効果と分けて書かれているものもあります。
痛みに関して、一定の高い評価はされているようですが、
この証拠の多くは海外からの報告のようなので、日本鍼灸にそのままというわけにはいきません。
インターネットなどでみると、鍼灸院の多くはWHOやNIHの鍼灸適応として提示している所が多いのですが、これには少し疑問があります。
日本独自のものを学会から正式に発表することが必要です。