美容鍼ってcosmetic acupunctureとなるらしい
本日は、美容鍼に関する報告をいくつか読みました。
まずは、美容鍼で肌の弾力性についての報告です。
Yun Y, et al. Effect of facial cosmetic acupuncture on facial elasticity: an open-label, single-arm pilot study. Evid Based Complement Alternat Med.2013;2013:424313.
対象者は50人集まったが、最終的に残った人数は28人。
鍼の方法は、いくつかのルールを設定した。
鍼の本数は100-110本
側頭筋などの頭の筋肉や胸鎖乳突筋などの頸の筋肉などにも行った。
置鍼時間は10分で、鍼を刺すのに補助具としてAcuProを使用してもよい。
5回の鍼治療を完了したのは、27名であった。
↓AcuProという鍼治療の補助具があるようです。
評価は、モアレトポグラフィという、写真に撮ったデジタル画像で頬や口周囲の等高線を読み取ることが可能な方法を使った。
また、自己評価での顔の弾力性をVASで評価
安全性についても評価を行った。
その結果、刺激前に比べモアレトポグラフィの数値は0.5ほど改善。この差は統計学的に有意な差を認めた。
また自己評価でも弾力性が改善したとされるが、
モアレトポグラフィの変化の人数は、変わらなかった12名、変化あり15名という結果であった。
安全性評価は、軽度の内出血があった。
日本からも美容鍼のレターが報告されています。
Donoyama N, etal. Cosmetic acupuncture to enhance facial skin appearance: a preliminary study. Acupunct Med. 2012 Jun;30(2):152-3.
肌の水分量と油分量を条件反転法で比較した2症例
症例A:50歳
症例B:29歳
鍼は、セイリンのJ15タイプを使用して、
BL1、GB1、ST1、ST3、ST4、ST7、SI19、CV24、Ex-HN3、Ex-HN4に1-3mm刺入し、10分置鍼を行った。
その結果、
水分量は、症例Aは鍼89%から87%、休止87%から87%、症例Bは鍼76%から80%、休止74%から76%となった。
油分量は、症例Aは鍼32%から38%、休止38%から37%、症例Bは、休止8%から8%、鍼8%から19%となった。
3つ目の報告は、
YI-ru Fang, et al. Cosmetic acupuncture for oriental medicine treatment. J Osaka Dent Univ.2012 Apr;46(1):5-9.
大阪の学生40人を対象に鍼を行った。
鍼の方法は、全身調整を行う鍼をまずは行う。
次いで、顔の鍼を行った。
そうすると、変化があった。
この報告では、特に数値化されたものはなかったが、全身調整を加えている点に好感があったので、読んでみました。
水分量を測ったりするのは、開業鍼灸師でもできることなので、参考となるのではないかと思います。
ただ、やはり客観的データが欲しいところです。