https://blog.hatena.ne.jp/ararepyon/ararepyon.hatenablog.com/edit?entry=26006613400492496
その中では、鍼とマッサージに関するものは検討されていましたが、お灸に関してはありませんでした。
本日は、乳がんのリンパ浮腫に対してお灸の効果はあるか?の予備研究の報告です。
Wang C,et al. Moxibustion as a therapy for breast cancer-related lymphedema in female adults: A preliminary randomized controlled trial. Integr Cancer Ther. 2019 Jan-Dec; 18:1534735419866919.
2016年3月~2017年3月までの間に、乳がんによるリンパ浮腫が発生した成人女性48名が対象
対象者を、弾性包帯などで圧迫する方法のコントロール群と、棒灸施術を行うトリートメント群の2群に無作為に分けた。
棒灸を行う経穴は、LI4(合谷)・LI13(手五里)・SJ5(外関)・SI9(肩貞)・BL23(腎兪)の基本穴と圧痛ポイントに30分、快適に温かく、中程度の紅斑ができるように調整しながら4週間実施。
その結果、
リンパ浮腫の腫れは、2群とも4週後には緩和し、灸を行った方が緩和する差は大きい。
また、VASは4週後には有意に灸を行うと低くなる。
しかし、Piper fatigue scale(腫れの評価)の総合点では、2群間に有意差はなし。
各項目でみると、
行動・感覚・感情・認知面ではお灸が改善し、行動と感情スコアがコントロール群は改善した。
乳がんの手術で、リンパ節転移の疑いがなければ、リンパ節の郭清手術は行う頻度は減っているようです。
乳がん後のリンパ浮腫は、私は2例ほどしか経験がありませんが、マッサージのみでは正直変化に乏しい印象です。
今回の結果も、弾性包帯を上回るような結果はないようですが、満足度は高いようです。
リンパ浮腫では、感染にも気を付けながら望まないといけません。
棒灸は、鍼や透熱灸に比べ、感染リスクはさらに低くなるとは思いますが、当然注意が必要だと思います。