都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

乳がん関連リンパ浮腫とお灸

先日、「乳がんの補完代替医療について」書きました。

https://blog.hatena.ne.jp/ararepyon/ararepyon.hatenablog.com/edit?entry=26006613400492496

その中では、鍼とマッサージに関するものは検討されていましたが、お灸に関してはありませんでした。

 

本日は、乳がんリンパ浮腫に対してお灸の効果はあるか?の予備研究の報告です。

Wang C,et al. Moxibustion as a therapy for breast cancer-related lymphedema in female adults: A preliminary randomized controlled trial. Integr Cancer Ther. 2019 Jan-Dec; 18:1534735419866919.

 

乳がん関連リンパ浮腫の緩和にお灸は有用か?

2016年3月~2017年3月までの間に、乳がんによるリンパ浮腫が発生した成人女性48名が対象

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対象者を、弾性包帯などで圧迫する方法のコントロール群と、棒灸施術を行うトリートメント群の2群に無作為に分けた。

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棒灸を行う経穴は、LI4(合谷)・LI13(手五里)・SJ5(外関)・SI9(肩貞)・BL23(腎兪)の基本穴と圧痛ポイントに30分、快適に温かく、中程度の紅斑ができるように調整しながら4週間実施。

 

その結果、

リンパ浮腫の腫れは、2群とも4週後には緩和し、灸を行った方が緩和する差は大きい。

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また、VASは4週後には有意に灸を行うと低くなる。

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しかし、Piper fatigue scale(腫れの評価)の総合点では、2群間に有意差はなし。

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各項目でみると、

行動・感覚・感情・認知面ではお灸が改善し、行動と感情スコアがコントロール群は改善した。

 

乳がんの手術で、リンパ節転移の疑いがなければ、リンパ節の郭清手術は行う頻度は減っているようです。

乳がん後のリンパ浮腫は、私は2例ほどしか経験がありませんが、マッサージのみでは正直変化に乏しい印象です。

 

 

今回の結果も、弾性包帯を上回るような結果はないようですが、満足度は高いようです。

リンパ浮腫では、感染にも気を付けながら望まないといけません。

棒灸は、鍼や透熱灸に比べ、感染リスクはさらに低くなるとは思いますが、当然注意が必要だと思います。