都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

耳刺激でうつ治療

本日は、うつ病の比較的新しい治療法で、鍼灸に応用できそうな方法です。

 

話は脱線しますが、来月10月6日は全日本鍼灸学会九州大会があり、テーマは「脳からみつめる うつと認知症」となっています。

写真の説明はありません。

 

本日の文献は、

Fang J, et al. Transcutaneous vagus nerve stimulation modulates default mode network in major depressive disorder. Biol Psychiatry. 2016 Feb 15; 79(4): 266-73.

 

経皮的迷走神経刺激(tVNS)は、大うつ病性障害(MDD)の脳機能に影響を及ぼすのかを検討しています。

 

対象はMDD患者49人をtVNS群27名と偽tVNS群(stVNS)22名に割り付けた。

 

治療部位は、

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と異なる部位で周波数20Hz、強度4-6mAで30分行った。これを、1日2回、週5回を4週間実施。

 

評価は、1次エンドポイントは、介入前と4週後にハミルトンうつ病評価尺度(HAMD)

2次エンドポイントは、ハミルトン不安評価尺度(HAMA)、自己評価不安尺度(SAS)、自己評価うつ尺度(SDS)を用いた。また、脳活動としてfMRIを撮影。

 

その結果、

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tVNSは介入前に比べ4週後は有意な改善を示している。

 

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両群の脳活動に及ぼす効果を比較した結果、上記の部位に差があることが判明した。

これらはデフォルトネットワークで連結が強いとこを指す。

 

本研究はRCTではないが、これからのtVNS研究にとって役に立つ報告だと感じました。

また、耳の迷走神経刺激は、鍼灸にも応用できそうなので、いずれその研究も多く出てきそうだと感じます。