耳刺激でうつ治療
本日は、うつ病の比較的新しい治療法で、鍼灸に応用できそうな方法です。
話は脱線しますが、来月10月6日は全日本鍼灸学会九州大会があり、テーマは「脳からみつめる うつと認知症」となっています。
本日の文献は、
Fang J, et al. Transcutaneous vagus nerve stimulation modulates default mode network in major depressive disorder. Biol Psychiatry. 2016 Feb 15; 79(4): 266-73.
経皮的迷走神経刺激(tVNS)は、大うつ病性障害(MDD)の脳機能に影響を及ぼすのかを検討しています。
対象はMDD患者49人をtVNS群27名と偽tVNS群(stVNS)22名に割り付けた。
治療部位は、
と異なる部位で周波数20Hz、強度4-6mAで30分行った。これを、1日2回、週5回を4週間実施。
評価は、1次エンドポイントは、介入前と4週後にハミルトンうつ病評価尺度(HAMD)
2次エンドポイントは、ハミルトン不安評価尺度(HAMA)、自己評価不安尺度(SAS)、自己評価うつ尺度(SDS)を用いた。また、脳活動としてfMRIを撮影。
その結果、
tVNSは介入前に比べ4週後は有意な改善を示している。
両群の脳活動に及ぼす効果を比較した結果、上記の部位に差があることが判明した。
これらはデフォルトネットワークで連結が強いとこを指す。
本研究はRCTではないが、これからのtVNS研究にとって役に立つ報告だと感じました。
また、耳の迷走神経刺激は、鍼灸にも応用できそうなので、いずれその研究も多く出てきそうだと感じます。