神経変性疾患における前頭葉徴候を抽出するテストは?
今日は、数日前に手掌おとがい反射を挙げましたが、その延長線上で、神経変性疾患で前頭葉徴候を示す精度に関する報告。
Borroni B,et.al. Primitive reflex evaluation in the clinical assessment of extrapyramidal syndromes. Eur J Neurol. 2006;13(9):1026-8.
対照群(CON)~26例
パーキンソン病(PD)~57例
軽度アルツハイマー病(mild AD)~70例
レビー小体型認知症(LBD)~33例
大脳皮質基底核変性症(CBD)~13例
進行性核上性麻痺(PSP)~21例
で、
マイヤーソン徴候
口とがらせ反射
手掌おとがい反射
把握反射
前頭葉徴候が2つ以上陽性
を調べた結果、以下の表やグラフのようになったそうです。
前頭葉徴候が2つ以上陽性 ↓
この結果は、一般化するには少し難しいと思います。
例えばパーキンソン病が認知機能低下を示すのは中期~後期なのに対して、レビー小体型認知症はパーキンソン症状と認知機能低下を初期から呈してきます。
今回の対象が、どのぐらいの罹病期間だったのか?などは明記されていませんので、そこらへんを加味して結果を解釈する必要はあるのかな。と思います。
しかし、今回の結果だけでは、前頭葉徴候から疾患を特定するのは難しい印象です。
反対に言えば、どれかの身体所見のみで判断するのは危険だということも言えます。
やはりいくつかの組み合わせを考える必要がありそうです。