都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

爪疾患と灸

灸療法で軽快した爪白癬の1例

皮膚の科学. 2002; 1(5): 335-7.

 

爪白癬は、自覚症状に乏しく、徐々に進行する。

自然治癒することはない。

治療は、外用剤と抗真菌剤の内服がある(論文当時)

しかし、内服は肝機能・腎機能障害、妊婦には使用できない。

 

白癬菌は、37℃が適正環境温度で、それ以上では繁殖できない。

灸治療の知熱灸(熱を感じ、痛みを感じない程度)は、40℃前後とされ、

この方法ならば爪白癬に有用と考え症例報告を行っている。

 

その結果、

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爪の混濁比に改善が認められた。

知熱灸は、1日1回、週1-2回施行。

 

第1趾に比べ第2-5趾の改善は弱かったともしている。

筆者は爪の成長速度が異なる点や灸の行いやすさ(爪が大きいなど)が影響している可能性を指摘。

 

爪白癬は、日常生活に及ぼす影響は少ないかもしれない。

しかし、下腿浮腫がある場合などでは、積極的な治療を行うことを勧める。

浮腫があると、蜂窩織炎へと進展することが、ときどきあるためである。

予防できるならば、外用剤塗布でもいいので行うほうがいいと思う(外用剤の効果は乏しいようだが)。