爪疾患と灸
灸療法で軽快した爪白癬の1例
皮膚の科学. 2002; 1(5): 335-7.
爪白癬は、自覚症状に乏しく、徐々に進行する。
自然治癒することはない。
治療は、外用剤と抗真菌剤の内服がある(論文当時)
しかし、内服は肝機能・腎機能障害、妊婦には使用できない。
白癬菌は、37℃が適正環境温度で、それ以上では繁殖できない。
灸治療の知熱灸(熱を感じ、痛みを感じない程度)は、40℃前後とされ、
この方法ならば爪白癬に有用と考え症例報告を行っている。
その結果、
爪の混濁比に改善が認められた。
知熱灸は、1日1回、週1-2回施行。
第1趾に比べ第2-5趾の改善は弱かったともしている。
筆者は爪の成長速度が異なる点や灸の行いやすさ(爪が大きいなど)が影響している可能性を指摘。
爪白癬は、日常生活に及ぼす影響は少ないかもしれない。
しかし、下腿浮腫がある場合などでは、積極的な治療を行うことを勧める。
浮腫があると、蜂窩織炎へと進展することが、ときどきあるためである。
予防できるならば、外用剤塗布でもいいので行うほうがいいと思う(外用剤の効果は乏しいようだが)。