外耳炎について
Recurrent otalgia in adults.
BMJ. 2016 Sep 15;354: i3917.より
外耳炎は、成人の再発性耳痛の最も一般的な原因であり、英国成人の1%以上とされている。
これは、時に誤った治療により引きこされることもあるが、
鑑別として、耳管機能不全、乳様突起炎、三叉神経痛、悪性腫瘍などがある。
病歴聴取では、
「常に同じ耳かどうか?」が大切で、常に同じなのであれば、鑑別疾患の可能性が上がる。
この他、手術歴や耳・鼻・のどの症状、嚥下・咀嚼の異常、顔の痛み、聴力低下や耳鳴りの有無について確認する。
例えば、重度の激痛や上気道感染症後→急性中耳炎疑い
めまい→続発性迷路炎
間欠的な聴覚異常(パチパチ音やポッピングなど)→耳管機能不全
4週を超える痛み→悪性腫瘍
などの可能性が上がる。
中耳炎の耳鏡所見
鼓膜の腫脹がある。中耳炎では、このほか穿孔や発赤、黄色などの場合もある。
これらの疾患を除外した上で、外耳炎の観察に入る。
外耳炎は、表在性の痛みが典型的で、患側を下にして寝るのが辛いという訴えや、耳がかゆいという訴えがある。
湿疹、糖尿病の既往の有無、イヤフォンや補聴器の装着は、外耳炎の原因となり得る。
耳の観察では、紅斑や腫脹がないか?
耳介を動かしたり、耳珠を押したときに痛みが出ないか?を確認する。
これらの所見を取ることで、外耳炎の診断に近づける。
その他、耳鏡を使った診察について、記載されていたが、鍼灸師は行えないので、割愛。
高齢者では、特に乾燥肌による影響もあると考えられる。
でも、あまり訴えとしては少ないので、鍼灸師が積極的に探し、治療を促す必要があるかもしれない。