都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

外耳炎について

Recurrent otalgia in adults.

BMJ. 2016 Sep 15;354: i3917.より

 

外耳炎は、成人の再発性耳痛の最も一般的な原因であり、英国成人の1%以上とされている。

これは、時に誤った治療により引きこされることもあるが、

鑑別として、耳管機能不全、乳様突起炎、三叉神経痛、悪性腫瘍などがある。

 

病歴聴取では、

「常に同じ耳かどうか?」が大切で、常に同じなのであれば、鑑別疾患の可能性が上がる。

この他、手術歴や耳・鼻・のどの症状、嚥下・咀嚼の異常、顔の痛み、聴力低下や耳鳴りの有無について確認する。

例えば、重度の激痛や上気道感染症後→急性中耳炎疑い

めまい→続発性迷路炎

間欠的な聴覚異常(パチパチ音やポッピングなど)→耳管機能不全

4週を超える痛み→悪性腫瘍

などの可能性が上がる。

中耳炎の耳鏡所見

鼓膜の腫脹がある。中耳炎では、このほか穿孔や発赤、黄色などの場合もある。

 

これらの疾患を除外した上で、外耳炎の観察に入る。

外耳炎は、表在性の痛みが典型的で、患側を下にして寝るのが辛いという訴えや、耳がかゆいという訴えがある。

湿疹、糖尿病の既往の有無、イヤフォンや補聴器の装着は、外耳炎の原因となり得る。

耳の観察では、紅斑や腫脹がないか?

耳介を動かしたり、耳珠を押したときに痛みが出ないか?を確認する。

これらの所見を取ることで、外耳炎の診断に近づける。

 

その他、耳鏡を使った診察について、記載されていたが、鍼灸師は行えないので、割愛。

 

高齢者では、特に乾燥肌による影響もあると考えられる。

でも、あまり訴えとしては少ないので、鍼灸師が積極的に探し、治療を促す必要があるかもしれない。