都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

振戦について

ビデオで学ぶ「ふるえ」の鑑別と治療

日本内科学会雑誌.2018; 107(3): 464-9.より

 

ふるえ=振戦~不随意運動→大脳基底核を中心とした錐体外路系や小脳系の異常から起こる

 

安静時振戦~随意収縮がない安静時におこり、一般的に動作で減弱、精神的緊張や対側上肢運動で増悪する。代表疾患は、パーキンソン病

姿勢時振戦~安静時はなく、姿勢を一定に保つと、主に上肢に出現。振戦リズムは規則的な場合と不規則の場合があり、発生が「徐々に」の場合、生理的または本態性振戦、「急に」では中毒性や代謝性が多い。起立性振戦など起立時に生じる(ロンベルグ検査では陰性となる)

動作時振戦~随意運動の開始直後から生じる不規則な振戦で、動作終了で消失(指鼻試験で陽性)。代表疾患は、小脳疾患や脳血管障害。小脳失調では、動作終末で揺れる(dysmetria)とは区別される

企図振戦~目標物に近づくにつれ、振戦が増大する。目標に達しても姿勢を保つ限り持続する(姿勢時振戦との鑑別が必要)。リズムは不規則で5Hz以下が多い。小脳疾患が多い

の4つに分類

 

原因疾患

本態性振戦

パーキンソン病

が多いが、

甲状腺機能亢進症

薬剤性

アルコール性

末梢疾患

生理的なふるえ(緊張で手が震えるなど)

心因性(上記の疾患は、精神的負荷で振戦は増悪する傾向にあるが、心因性は反対にタスクに集中すると振戦は減弱する傾向にある)

 

治療法

軽度では、ストレス対策、生活指導(

中等度以上では、薬物療法を検討する(薬剤によっては眠気やふらつき、幻覚などの副作用もある)

手術療法やMRガイド下集束超音波療法という選択肢もある