振戦について
ビデオで学ぶ「ふるえ」の鑑別と治療
日本内科学会雑誌.2018; 107(3): 464-9.より
ふるえ=振戦~不随意運動→大脳基底核を中心とした錐体外路系や小脳系の異常から起こる
安静時振戦~随意収縮がない安静時におこり、一般的に動作で減弱、精神的緊張や対側上肢運動で増悪する。代表疾患は、パーキンソン病
姿勢時振戦~安静時はなく、姿勢を一定に保つと、主に上肢に出現。振戦リズムは規則的な場合と不規則の場合があり、発生が「徐々に」の場合、生理的または本態性振戦、「急に」では中毒性や代謝性が多い。起立性振戦など起立時に生じる(ロンベルグ検査では陰性となる)
動作時振戦~随意運動の開始直後から生じる不規則な振戦で、動作終了で消失(指鼻試験で陽性)。代表疾患は、小脳疾患や脳血管障害。小脳失調では、動作終末で揺れる(dysmetria)とは区別される
企図振戦~目標物に近づくにつれ、振戦が増大する。目標に達しても姿勢を保つ限り持続する(姿勢時振戦との鑑別が必要)。リズムは不規則で5Hz以下が多い。小脳疾患が多い
の4つに分類
原因疾患
本態性振戦
が多いが、
甲状腺機能亢進症
薬剤性
アルコール性
末梢疾患
生理的なふるえ(緊張で手が震えるなど)
心因性(上記の疾患は、精神的負荷で振戦は増悪する傾向にあるが、心因性は反対にタスクに集中すると振戦は減弱する傾向にある)
治療法
軽度では、ストレス対策、生活指導(
中等度以上では、薬物療法を検討する(薬剤によっては眠気やふらつき、幻覚などの副作用もある)
手術療法やMRガイド下集束超音波療法という選択肢もある