間欠性跛行の所見
The reliability of differentiating neurogenic claudication from vascular claudication based on symptomatic presentation.
Can J Surg.2013 Dec;56(6):372-377.より
間欠性跛行は、大きく神経性と血管性に分類して考えられる。
神経性間欠性跛行は、腰部脊柱管狭窄症(LSS)
血管性間欠性跛行は、末梢動脈疾患(PAD)
で発生しやすい。
53例の間欠性跛行を示す患者を対象に、その症状から神経性か血管性かを判別し、臨床的な病歴や身体所見の診断特性を算出した。
この表を、日本語に訳して、表にすると、
こんな感じになる。
Shoping cart signとは、買い物かごを押すと、少し前傾姿勢になり、痛みが緩和すること。
https://mobile.twitter.com/alaamri14121/status/888253615533465602
より掲載
より重症の場合は、手を付かず、肘を置くような姿勢になる。
↓こんなイメージ画像のようになる。
https://www.discspine.com/back-stories/shopping-cart-sign-spinal-stenosis/より掲載
その結果、
神経性間欠性跛行は、
立位で発生し、座位で寛解し、膝から上に症状があると確定的
立位で発生せず、座位で寛解しない、膝から上に症状がない場合、ショッピングカートサインがない場合に否定的
血管性間欠性跛行は、
立位で寛解し、下腿部まで広がる症状ならば確定的
立位で寛解せず、下腿部に症状がなく、歩行で誘発されない、発症の予測ができない場合否定的
といった感じになる。
症状や再び歩けるようになるまでの時間などは鑑別の参考にはならない(聞かなくて言いわけではない)。95%信頼区間の幅が大きすぎて、患者さんによっては確率を変動させるのだろうが、それが誰なのかは分からないから症状だけで判断するのは危うい。
同様の理由で、血管性間欠性跛行の発症予測も人によっては確率を下げない可能性があることに注意が必要だ。
この他にも考えられる身体所見として、ロンベルグ徴候がある。
これは神経性間欠性跛行の場合、陽性所見となるが、その場合LSS以外の脊髄疾患の可能性もあるため、それを踏まえて用いることになる。