都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

喘息に対する鍼治療のメタ解析

Conventional treatments plus acupuncture for asthma in adults and adolescent: A systematic review and meta-analysis.

Evid Based Complement Alternat Med. 2019 Jan 17;2019:9580670. doi:10.1155/2019/9580670.より

成人と青年期における喘息に対する通常治療と鍼治療:システマティックレビューとメタアナリシス

 

1990-2018年の間に報告されたRCTを集積し、12歳以上の喘息患者を対象とした報告などを厳選し、最終的に9編の報告が残った。

 

これより、通常治療の補完治療として鍼治療が有用かを検討した。

 

その結果、

通常治療 vs 通常治療+鍼治療は、

喘息の症状反応率(5編、n=472)~OR=7.87(4.13-14.99)、P<0.00001、Fig4

サブグループ解析で、慢性期でも有効性が認められた(OR=10.33[3.99-26.73]、P<0.00001)、急性期でも認められた(OR=6.40[2.68-15.31]、P<0.0001)。

 

FEV1(5編、n=376)~異質性あり、MD=0.22(-0.11-0.56)、P=0.19、Fig5(a)

サブグループ解析では、慢性期(MD=-0.13[-0.51,0.25]、P=0.51)は有効性はなかったが、急性期では有効性が認められた(MD=0.39[0.05,0.74]、P=0.03、異質性なし)

FEV1/FVC(4編、n=364)~異質性あり、MD=8.62(-1.62-26.26)、P=0.06、Fig5(b)

サブグループ解析では、急性期(MD=12.29[-1.67,26.26]、P=0.08、異質性なし)は有効性は認められたが、慢性期は有効性が認められなかった(MD=4.31[-7.95,16.56]、P=0.49)。

 

IL-6(2編)~MD=-11.42(-15.28、-7.56)、P<0.00001、FIg6

 

これより、鍼治療は通常治療の補完治療として有用である。

 

とされた。

 

読んだ感想としては、そうだろうなーといったところだ。

呼吸機能検査に関しては、サブグループ解析で有効性が認められているが、あくまでサブ解析なので、そこは注意がもちろん必要だ。

患者さんには、数値としては変化は少ないかもしれないが、鍼治療を受けると体感的に症状が軽くなりますよ。と言えるぐらいのエビデンスが集まってきたというレベルだろう。

まだまだ、鍼治療の喘息に対する根拠は遠い。だが、可能性はある。期待できる。