不安障害に対する補完代替医療のエビデンス

Current Research on Complementary and Alternative Medicine (CAM) in the Treatment of Anxiety Disorders: An Evidence-Based Review.

Adv Exp Med Biol ; 1191: 415-449, 2020.

鍼の部分だけ紹介。

不安障害に対する鍼治療のエビデンスは、

これまでに

動物研究の結果をもとに、鍼の刺激回数や頻度などを調査したもの(CNS Neurosci Ther. 2012;18:277–84.)。

13編の報告をメタ解析し、有害事象も少なく、有用性も示されたが、さらなる研究が必要とした報告(Complement Ther Clin Pract. 2018;31:31.37.)がある。

この他にも、少人数での報告で、

パイロットスタディで、子供の全般不安症を対象にした報告。

鍼(n=10)vs待機群(n=10)の比較で、HAM-A(不安評価尺度)が鍼の方に有効な結果だった(J Paediatr Child Health. 2018;54:881–8.)。

とするものがあるとしている。

これらの結果は、いずれも有用な結果だったが、

方法論に統一性がなく、一貫性のある結果とはいえない。

鍼治療においては使用する経穴や刺激方法などが様々あるため、こうしたメタ解析などを行うと常にこうしたコメントがつく。

これは仕方がないことであり、今は思い浮かばないですが、鍼灸用のメタ解析法などがでてくれば、もっと有用性が評価される時がくるかもしれません。