関節リウマチと身体所見
Prevalence and patterns of peripheral neuropathy in patients of rheumatoid arthritis.
J Family Med Prim Care.2019 Jan;8(1):22-26.より
慢性関節リウマチ患者における末梢神経障害の有病率とパターン
関節リウマチは末梢神経障害を併発する発生率が約40%あると報告されており、頻度が高い症状である。
そのため、末梢神経障害を早期診断し、治療に臨むことは、患者さんのQOLやADLにおいて重要となる。
この報告では、関節リウマチ患者の末梢神経障害の併発率(有病率)とそのパターンについて調べている。
対象は、関節リウマチ89例で、女性78例(87.6%)であった。
このうち、末梢神経障害(電気生理学的異常)を有していたのは67例(75.3%)、触覚異常・消失14例(20.89%)、温度覚の低下・消失10例(14.92%)、無痛症性ニューロパチー34例(50.74%)であった。
関節リウマチ+末梢神経障害患者67例と関節リウマチのみの患者22例で比較した結果、
年齢・発症からの経過期間・DAS-28スコア(疾患の重症度スコア)・抗リウマチ薬の使用・上下肢の筋萎縮・チネル徴候・疼痛評価(VAS)などで有意差が認められた。
関節リウマチの罹病期間が長くなると、当然服薬歴も伸びるし、リウマチ症状も進行するだろう。しかし、この報告のように70%以上が末梢神経障害を有しているというのは、驚いた。
自分がみてきた関節リウマチ患者さんの印象とは少し異なると思ったが、電気生理学的検査との違いでもあるのだろうか?
まずは、リウマチ初期の段階から、しっかりとコントロールしつつ、末梢神経障害の有無を定期的にモニタリングする習慣をつけていくことが必要となると思われる。
また、こうした症状に対する予防や治療に関する研鑽が更に更に必要となる。