クモの巣状静脈瘤
日本皮膚科学会雑誌.2017.127(10):2239-2259.
創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン-5.下腿潰瘍・下肢静脈瘤診療ガイドライン.
下肢の静脈は、
表在静脈・深部静脈・交通枝に分けられ、
表在静脈~大・小伏在静脈とその分枝を総称する。⇒皮膚に近い部分を走行し、正常では還流する際の1-2割はこの静脈を通る。
深部静脈~動脈と併走し、正常では還流の8-9割を担う。
静脈瘤には、一次性と二次性があり、多くは一次性だが、
深部静脈血栓症・妊娠・骨盤内腫瘍・動静脈廔・血管内腫瘍などによる静脈瘤は二次性となる。
一次性下肢静脈瘤は下写真の4パターンに大別されるが、1パターンとは限らず複数の混合型もある。
1:伏在型静脈瘤~治療を要するものでは最も多い。うっ滞性皮膚炎や潰瘍を生じることもある。
2:側枝型静脈瘤(分枝静脈瘤)~単独で起こることは少ない
3:網目状静脈瘤~2-3mmの青く網目状になっている
4:クモの巣状静脈瘤~1mm以下の紫紅色の静脈瘤
⇒毛細血管の拡張によって起こる。基本的には無症状だが、まれにピリピリ感を訴える方もいる。
ホルモン・遺伝性・皮膚が薄い・静脈圧の上昇などが理由で起こることがある。そのため、思春期や妊娠中に見つかることがある。基本的には治療の必要はないが、見た目が気になるという方は治療(硬化療法が現時点では最適とされている)することもある。