都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

クモの巣状静脈瘤

日本皮膚科学会雑誌.2017.127(10):2239-2259.

創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン-5.下腿潰瘍・下肢静脈瘤診療ガイドライン

 

下肢の静脈は、

表在静脈・深部静脈・交通枝に分けられ、

表在静脈~大・小伏在静脈とその分枝を総称する。⇒皮膚に近い部分を走行し、正常では還流する際の1-2割はこの静脈を通る。

深部静脈~動脈と併走し、正常では還流の8-9割を担う。

下腿潰瘍・下肢静脈瘤診療ガイドライン(案)用語の説明

静脈瘤には、一次性と二次性があり、多くは一次性だが、

深部静脈血栓症・妊娠・骨盤内腫瘍・動静脈廔・血管内腫瘍などによる静脈瘤は二次性となる。

 

一次性下肢静脈瘤は下写真の4パターンに大別されるが、1パターンとは限らず複数の混合型もある。

1:伏在型静脈瘤~治療を要するものでは最も多い。うっ滞性皮膚炎や潰瘍を生じることもある。

2:側枝型静脈瘤(分枝静脈瘤)~単独で起こることは少ない

3:網目状静脈瘤~2-3mmの青く網目状になっている

4:クモの巣状静脈瘤~1mm以下の紫紅色の静脈瘤

⇒毛細血管の拡張によって起こる。基本的には無症状だが、まれにピリピリ感を訴える方もいる。

ホルモン・遺伝性・皮膚が薄い・静脈圧の上昇などが理由で起こることがある。そのため、思春期や妊娠中に見つかることがある。基本的には治療の必要はないが、見た目が気になるという方は治療(硬化療法が現時点では最適とされている)することもある。

 

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