2021-02-26 変形性膝関節症の筋トレは高強度?低強度? Randomized Controlled Trial JAMA . 2021 Feb 16;325(7):646-657. doi: 10.1001/jama.2021.0411. Effect of High-Intensity Strength Training on Knee Pain and Knee Joint Compressive Forces Among Adults With Knee Osteoarthritis: The START Randomized Clinical Trial Stephen P Messier 1 2, Shannon L Mihalko 3, Daniel P Beavers 4, Barbara J Nicklas 2 3, Paul DeVita 5, J Jeffery Carr 6, David J Hunter 7, Mary Lyles 2, Ali Guermazi 8, Kim L Bennell 9, Richard F Loeser 10 変形性膝関節症(膝OA)でのガイドラインでは大腿部の筋トレが推奨されている。 しかし低強度がいいのか?高強度がいいのか?は明確な結果が出ていなかった。 そこで、強度による違いと安全性などを検討。 研究デザイン:RCT ノースカロライナ州の大学センターで2012年7月から2016年2月までに登録し、2017年9月まで追跡した。 対象は、膝の痛みがあり、BMIが20-45の範囲にある、50歳以上の地域住民377名(平均年齢65歳、女性151名;40%)を、 低強度筋トレ群126名、高強度筋トレ群127名、生活指導群124名に割り付け、18ヶ月の追跡を行った。 筋トレは週3回実施。 主な筋トレ内容は、 レッグカール; レッグプレス; など。 強度設定は、 個人で行える最大負荷(1RM)を実施。 低強度は、1RMの30-40%の負荷で15回×3セット 高強度は、徐々に負荷を上げる。最初は1RMの75%、8回×3セットを2週間、その後は80%・85%・90%と負荷を上げ、1セットの回数は減る。 評価は、 WOMAC;膝の痛み:0(最善)-20(最悪) ;歩行中の膝の圧迫感 結果; 最期まで追跡できたのは320名 いずれの評価でにおいても、 低強度と高強度で有意差はなし。 この結果は、年齢などで調整しても結果は変わらなかった。 有害事象も、 重篤ではないものが高強度53件・低強度30件・生活指導4件 研究とは無関係の重篤な有害事象が、13件あった。 これより、 膝OAの筋トレは、低強度で実施する方が、高強度と比べて安全性があり、効果には差がないとされる。 患者さんに運動指導をする際には、参考となる報告でした。