筋トレ+持久力トレは、筋トレ効果を減少させる
筋トレ+持久力トレは、筋トレ効果を減少させる。
これを干渉効果という。
と発表されたのは、1980年(. 1980;45(2-3):255-63. )。
上図左は筋力を縦軸に、横軸トレーニング期間(週)を表す。
S;筋トレのみ、E;持久力トレ、S+E;筋トレ+持久力トレ
筋トレに持久力トレを併用すると、筋力増強効果が減弱することが示された。
一方、上図右は持久力を表す。
持久力トレのみと筋トレ併用では、ほぼ同程度だが、やや減弱傾向。
そこから干渉効果について議論がなされ、2012年にメタ解析結果がだされた。
Concurrent training: a meta-analysis examining interference of aerobic and resistance exercises
干渉効果が起こる機序の1つとして、酵素の活性があるとされる(. 2
017 May 1;595(9):2883-2896. )。
持久力トレを行うと、AMPK(アデノシン1リン酸活性化タンパク質キナーゼ)が活性化し、持久力を高めてくれます。
しかし、筋トレと併用するとAMPKは、筋トレで発現するmTORC1(エムトール1複合体)の働きを阻害するようにもなる(Sports Med. 2014 Nov;44 Suppl 2(Suppl 2):S117-25.
)。
こうした干渉効果は、すべてのトレーニング者に現れるわけではなく、
スポーツ初心者や運動頻度が少ない人では、ほとんど作用せず。
程よく運動する人で少し作用し、
アスリートでは強く表れるとされています。
運動の頻度や強度、経験年数などが干渉効果の発現に関わってきます。
なので、両方を併用する場合、
持久力トレの強度を下げて行う。
酵素活性の持続時間を考えて感覚を空ける
などの対策が必要になると思います。
AMPKは約3時間持続、
mTORC1は約6時間持続
とされています(Sports Med. 2014 Nov;44 Suppl 2(Suppl 2):S117-25. )。
なので、そのぐらいの間隔を空ければ干渉効果は予防できることになると思います。
1番は、その日何を目的にトレーニングするのか?に合わせて、
筋トレか持久力トレを別の日に行うのが無難だと思います。
注意が必要なのは、今回の報告はあくまでも筋力増強や筋肥大に対しては効果が下がるということです。
明日は、ダイエット目的の場合はどうなるか?
を投稿します。