ダイエットをすると、脂肪だけでなく、筋肉も痩せてしまうことが多い。
この筋肉は、除脂肪量とほぼイコールになる。
除脂肪とは、体内の脂肪の量を除いた量を除脂肪量とよび、骨や内臓なども含むが、これらはほとんど重さ(量)は変わらないため、水分量や筋肉が変動すると思われます。
この筋肉量を維持するためには、タンパク質(
アミノ酸)の摂取が必要となりますが、必要量がどれくらいかは
エビデンスが不足しています。
そこで、これまでに報告されたRCT(105編、5402名)を集積し、メタ解析を行った。
これらの報告は、筋トレやタンパク質摂取の有無で層別化された。
表2
除脂肪体重(LBM)の変化に対するタンパク質補給の効果の要約、補給タンパク質用量または筋力トレーニングの有無によって層別化
サブグループ |
LBMの平均差(kg) |
95%CI(kg) |
試行回数 |
総数 個人の |
すべての試験 |
0.51 |
0.36〜0.65 |
138 |
5866 |
タンパク質投与量<0.3g / kg BW / d |
0.38 |
0.20〜0.55 |
40 |
1815年 |
タンパク質投与量0.3–0.6 g / kg BW / d |
0.41 |
0.19〜0.63 |
56 |
2641 |
タンパク質投与量≥0.6g/ kg BW / d |
0.80 |
0.45〜1.14 |
42 |
1410 |
筋力トレーニングあり |
0.48 |
0.31〜0.65 |
72 |
2686 |
筋力トレーニングなし |
0.53 |
0.36〜0.76 |
66 |
3180 |
その結果、
各グループの総タンパク質摂取量と除脂肪体重の変化との間の用量反応関係。多変量の未調整モデル(すべての試験、筋力トレーニングありの試験、筋力トレーニングなしの試験でそれぞれa、b、c)の各グループの総タンパク質摂取量と除脂肪体重の変化との関連を示すスプライン曲線-調整済みモデル1(すべてのトライアル、レジスタンストレーニングありのトライアル、およびレジスタンストレーニングなしのトライアルのそれぞれd、e、およびf)、または多変量調整済みモデル2(すべてのトライアル、レジスタンストレーニングありのトライアルのg、h、およびi、それぞれ、レジスタンストレーニングなしのトライアル)。実線と破線は、それぞれLBMと95%CIの平均変化を表しています。多変量調整モデル1の共変量は、年齢、性別、介入期間、および筋力トレーニングです。略語:BW、体重; FFM、無脂肪質量; LBM、除脂肪体重。
主な結果は、
タンパク質摂取は、筋トレの有無に関係なく、除脂肪量を増加させる。
タンパク質を、0.1g / kg BW / d増やすだけで筋肉量が増加または維持される。
しかし、1.3g/kgBW/dを超えると、その効果の増加率は小さくなる。⇒筋トレをしている人はこの低下率が抑えられる。
日本の国民栄養調査の報告では、成人の33%が超えている可能性がある。⇒筋トレをすれば超えていてもまだいい?
日本人は、運動不足でありつつ、タンパク質摂取量が過剰となっている方もいますので、栄養バランスもですが、運動とのバランスも大切です。