紫斑をみたら
紫斑(Purpura)は、小血管(毛細血管)が破れて出血している状態。
紅斑は出血はしていない。見分け方は患部を押さえて、色が変化(白っぽく)したら紅斑で、変化しなければ紫斑。
分類には、
触知可能な紫斑~Palpable purpura;軽く盛り上がりを感じる
触知不可な紫斑~Nonpalpable purpura;盛り上がりを感じない
と
原因別に分ける、
血小板減少
血小板機能異常
凝固異常
血管脆弱性
血管破綻(外傷)・うっ血
血管炎
原因不明
がある。
このうちよく見かけるのは、血管脆弱性に分類される老人性紫斑でNonpalpableに相当する。
同じNonpalpableには、
全身性疾患~
止血障害;凝固因子の障害・血小板減少・血小板機能異常・ワーファリン・DIC
血管脆弱性;アミロイドーシス、エーラス・ダンロス症候群、壊血病
塞栓;脂肪塞栓・コレステロール塞栓
がある。
Palpableには、
血管炎;IgA血管炎、ANCA関連血管炎、クリオグロブリン血症性血管炎など
皮膚白血球破砕性血管炎(小血管壊死性血管炎):感染症・薬剤・腫瘍・特発性
急性髄膜炎菌血症、播種性淋菌感染症、カンジダ菌血症、感染性心内膜炎
まずは、Nonpalpableを確認したら、ワーファリンなどの抗凝固薬の服用歴・点滴などの外傷性の有無を確認。
止血障害の多くは、紫斑の大きさで判別できることが多い。
紫斑は、点状紫斑(≦4mm)、斑状紫斑(5-9mm)、溢血斑(≧1cm)に大きさで分けられる。
止血障害(血小板減少・血小板機能異常)は、点状紫斑
凝固異常や血管破綻などは溢血斑を考える。
老人性紫斑は、斑状紫斑か溢血斑の大きさになるので、点状紫斑ではないことを確認すれば、大きな問題にはなりにくい。
反対にいえば、それ以外の紫斑は病院精査が必要となります。
ときどき20代女性の下肢に点状紫斑(Nonpalpable)を認める単純性紫斑病がありますが、多くは2-4週間で自然に消失するので、特に治療の必要はありませんが、美容上の観点から鍼灸で早期消失を行うことは可能かもしれません。
紫斑をみたら、紫斑以外の症状はないか?
触知可能か?
紫斑の大きさは?
を確認する。
鍼灸の適応範囲は
老人性紫斑・単純性紫斑・褥瘡1度(外用剤との併用は必要)
になるかと思います。