ばね指に対する鍼治療
成人弾発指に対する鍼治療の効果:Visual analogue scaleによる検討.
日温気物医誌. 2013; 76(4): 263-72.
弾発指は、指屈筋腱が靱帯性腱鞘の変性・肥厚ないしは滑膜性腱鞘の炎症により、スムーズに滑走できず有痛性の弾発現象が生じる疾患。進行すると、指屈曲位でロッキングや伸展位からの屈曲が不可となる。
50歳代の女性に多く、A1 Pulley部と呼ばれる浅指屈筋腱あるいは長母指屈筋部位に好発する。
鍼治療を、A1 Pulley部に行い、VASの変化を検討。
対象は、15名19指(男性3名4指、女性12名15指)
罹患指は、母指6指、示指6指、環指5指、小指2指のうち、有痛性は17指
その結果、治療前後の比較では、疼痛・弾発指の程度がともに有意な改善が認められた (Fig2)
毎回の治療前後での比較でも有意な改善が認められた(FIg3)
改善率50%を境に罹病期間をみると、罹病期間が短い方が改善率も高い(Fig4)
有用な方法であることが示唆された。
ちなみに、鍼治療の方法は、
直径0.14㎜の鍼を10mm㎜程度刺入し、10分間の置鍼を行ったようだ。
練習が必要そうな方法だが、いつでも対応できるように備えておく必要がある。