都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

しゃっくりについて

しゃっくりとは、吃逆とも呼ばれ、横隔膜、呼吸補助筋(前斜角筋・肋間筋など)の痙攣、声帯筋の閉鎖などが関与して起こるとされている。

そのほとんどは一過性で、特に問題はないが、中には難治性を示す場合もある。

 

分類としては、

中枢神経系

末梢神経系~横隔神経や迷走神経

薬剤性~麻酔、ドパミン作動薬、抗生物質など

感染性~インフルエンザなど

代謝性~糖尿病、低ナトリウム血症など

心因性~ヒステリー、人格障害など

特発性

に分けられる。

 

経過による分類もあり、

良性吃逆発作~48時間以内に消失

持続性吃逆~48時間~1ヵ月以内

難治性吃逆~1ヵ月以上

となり、難治性では逆流性食道炎(GRED)などの食道疾患で起こることが多く(上記分類の末梢神経系に入る)、高齢者に多い。

 

吃逆の反射は、延髄にあり、舌咽神経を介して延髄網様体から横隔神経や迷走神経を経て、吸気に関わる補助筋や横隔膜、声帯に影響を及ぼし起こるとされている。

 

治療には、

物理刺激と薬物療法がある。

物理刺激には、

舌の牽引、口蓋垂咽頭の刺激(綿棒などによる)、氷水の飲用、外耳道の圧迫などがある。

いずれも、症例報告などが主で、どこまで有効性があるかは分からなかった。

また、心疾患などがある場合は、行わない方がいいと思われる。

 

迷走神経を刺激する方法で、片頭痛を治療することができるともされている。

これは、頚部への迷走神経刺激であり、片頭痛の治療効果が報告されている。

 

もしかしたら、外耳道の刺激は片頭痛の予防などには使えるかもしれない。

また、鍼灸は耳鍼も行うことがあり、吃逆や頭痛の治療機序として、迷走神経の関与が考えられている。