足底筋膜炎の機序を考えるためのトラス構造とウィンドラス機構
足底筋膜炎
△踵の痛みとして頻度の高い疾患
特徴として、
△座位などから立位へ変わるとき、1歩足を踏み出す時などに痛みが出現するが、動くと痛みは軽減していく
△圧痛点は、踵中央部で内・外側にはない(あった場合は疲労骨折などを考慮する)
△ランナーやダンサーに多い⇒踵骨起始部に小さな断裂
△肥満者・長時間の立位(Policeman’s heel)に多い
運動で起こる場合と立位や肥満で起こる場合では、少し機序が異なる。
その機序として、トラス構造とウィンドラス機構の2つの足部機能を知っておくと役に立つ。
△トラス構造
肥満や長時間の立位で起こる足底筋膜炎では、
荷重(≒体重)が足底に加わると、足底腱膜に対して張力が発生する。
これが持続されると足底腱膜への負荷がキャリーオーバーとなり炎症を起こす。
このトラス構造を破綻させやすい要因として、「扁平足」があります。
そこに肥満や長時間の立位といった「きっかけ」が加わると起こりやすい。
ダイエットやインソールなどで対応することは大切ですが、扁平足にも対応することが必要。
△ウィンドラス機構
ランナーやダンサーが走る・飛ぶなどの動作を繰り返す際に、
足のMP関節を背屈することになります。
すると、足底腱膜が収縮して、足の縦アーチが上がる(短くなるような・丸くなるような)ことで、反発力を増大させて走る動きになったり、ジャンプしたりする。
これを繰り返すと、やがて踵骨起始部に小さな断裂が起こり、炎症を起こすことに繋がる。
注意;
ランナーの場合、短距離ではつま先着地ですが、マラソンでは足裏全体で着地もしくは踵着地になるので、トラス構造も加わります。