2021-03-19 耳鳴りに対する迷走神経刺激のシステマチックレビュー PLoS One . 2021 Mar 11;16(3):e0247221. doi: 10.1371/journal.pone.0247221. eCollection 2021. Tinnitus treatment by vagus nerve stimulation: A systematic review I Stegeman 1 2, H M Velde 1 2, P A J T Robe 2 3, R J Stokroos 1 2, A L Smit 1 2 耳鳴りに対する迷走神経刺激は、比較的最近の治療法 その作用機序として、現在は孤束核-青斑核-大脳基底核-大脳皮質の神経の興奮と抑制を調節役割があると考えられている(Hear Res. 2013 Jan;295:58-66.) 。 最終的に9編(2編のRCT、5編のコホート研究、2編のケーススタディ)が厳選 9編のうち、5編が経皮的迷走神経(vns)治療、4編が埋め込み型vns治療 vns治療+音響治療が6編 結果は、方法論に幅がありすぎて(異質性)、結果をプールできなかった。 経皮的vns治療の報告の研究概要; Suk etal. 2018年に前向きコホート研究を実施し、耳鳴りの持続期間が3か月以上の24人の患者が2週間にわたって4回の経皮的VNSセッション;1箇所30ヘルツを4分 を実施]。これらのセッションでは、痛みを感じる手前ぐらいの刺激を耳珠などに行った。彼らの研究の結果は、vasによる耳鳴り症状の重症度、および治療後1か月のTHIスコア(45⇒27)、ラウドネスは45.8%が改善。 シムら。2015年に治療抵抗性を示した12ヶ月以上の慢性耳鳴り患者30人。経皮的VNSは、耳介コンチャのパッチと音響治療を組み合わせて10セッション実施。VASとTHI(41.5⇒35.46)は、治療前と治療直後に測定。 メイら tVNSを8週間毎日VS塩酸フルナリジンとオリザノールによる経口薬物療法のRCT。外来耳鳴り患者、および耳鳴りの期間が異なる(再発性耳鳴り> 1か月または持続性> 5日)大学からの耳鳴りのボランティアが含まれた。彼らの研究における耳鳴り症状の重症度の結果は、THIによって評価。 9編の報告の結果まとめ; 耳鳴りは大脳辺縁系や側坐核との関連が強いことが示されている(Neuron. 2011 Jan 13;69(1):33-43.) そして経皮的vns治療は、大脳辺縁系に影響するというほうこくもある。 (J Neural Transm (Vienna). 2007;114(11):1485-93.) 同時に耳鳴りが抑うつ気分などになりやすいのも、大脳辺縁系の影響と考えられる。 こうした精神的な苦痛の緩和、耳鳴りの症状緩和に経皮的vnsは有用かもしれないが、このレビューでは、rctなどが不足しているため、大規模な研究が必要としている。