都城鍼灸ジャーナル

宮崎県都城市で鍼灸師をしている岩元英輔(はりきゅうマッサージReLife)です。読んだ論文を記録するためのブログです。当院のホームページ https://www.relife2019.jp/index.html しんきゅうコンパス https://www.shinq-compass.jp/salon/detail/33749

急性石灰化頚長筋腱炎

2020 Sep 6;14(1):148.
 doi: 10.1186/s13256-020-02480-z.

Severe neck pain and odynophagia secondary to acute calcific longus colli tendinitis: a case report

頚部痛+嚥下障害

急性石灰性頚長筋腱炎を疑う。

非感染性の炎症性疾患であり、C1-C2領域に起こることが多い。

一般的な症状は、首の痛み、こわばりを伴う頚部の可動域制限および嚥下障害。

発生頻度は10万人/年あたり0.5人と低い。

2017年のケースシリーズでは、患者の62.5%が50代男性【Medicine (Baltimore). 2017;96(46):e8343.】

別の報告では男性は30%だったとするものもある(平均年齢46.6歳)【Clin Orthop Surg. 2018;10(2):204–9.】

 

NSAIDが有効とされているが、治療ガイドラインなどはなし。

 

頚長筋の上斜部の環椎停止部に石灰(ハイドロキシアパタイト)沈着がおこる。

1日1筋・前頚部の筋群 : しょうがね、しょうがね、へーへーホーホー

 

CT画像;C2領域に石灰化

figure1

 

MRI T2強調画像;

figure2

 

発生機序としては、

1.頚長筋の血流不全・過使用による組織変性から石灰化

2.石灰化した組織が細粒化し、周囲へ播種

3.その過程で炎症が起こる

とされている。